待望の新モデル! 東プレの静電容量無接点方式スイッチ採用マウス「REALFORCE RM1 MOUSE」を試す(3/3 ページ)

» 2023年08月25日 12時00分 公開
[瓜生聖ITmedia]
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REALFORCEブランドのマウスパッドも発売

 摩擦の小さいPTFEマウスソールと、ゲーミングマウス向けの高性能センサーのおかげで場所を選ばず利用できるRM1だが、摩擦の小さな硬い机面やハードタイプのマウスパッドだと滑りが良すぎて、人によっては制動のために力が入って疲れやすくなることもある。

 そういう人にはぜひ、「REALFORCEマウスパッド」を試してもらいたい。RM1と同時に発売されたREALFORCEマウスパッドは高密度ウレタンフォームによって適度な弾力を持たせたソフトタイプだ。RM1を一度動かし始めれば小さな力で滑らかに移動するが、止めるときは適度なグリップでコントロールしやすい。

photo マウスパッドはS/Mの2サイズで展開。写真はサイズM

 ピクセル単位でわずかに動かすときは手の平で少し押しつけるようにすることでマウスパッドが沈み込み、さらにコントロールしやすくなる。裏面の吸着力も強く、マウスパッドがずれにくいのもポイントだ。

 表面生地は特殊なジャカード織りが採用されており、光学式/レーザー式両方のセンサーで正確かつスムーズに検出できる。縦210×横250mmのサイズSと、縦270×横320mmの2サイズ展開となっている。

photo 裏面の吸着力が高く、ずれにくい

買うべき人と買うべきではない人

 RM1の定価は1万4080円(税込)だ。競合する価格帯の製品だとロジクールの「MX ANYWHERE 3S」あたりになるが、この2製品を比較するとRM1はシンプルな印象がある。ロジクールのフラッグシップであるMasterシリーズはスクロールホイールにこだわった製品が多く、それと比べるとRM1のスクロールホイールは良くも悪くも素直な作りだ。

 ワイヤレスマウス全盛のご時世に有線接続というのもその印象を後押しする。そのため、高機能なマウスを求めてRM1を購入するとやや肩透かしとなりかねないだろう。

 では、RM1にその価格分の価値がないかというと、それは違うと断言できる。シンプルであるだけに作りの良さがストレートに伝わる製品であり、左右ボタンの静電容量無接点方式スイッチ以外は良くも悪くも「よくできた普通のマウス」だ。

 RM1の評価も賛否あると思うが、静電容量無接点方式スイッチのフィーリングが気に入る、気に入らないというユーザーの好みに大きく左右されているのではないかと感じる。前モデルのREALFORCE MOUSEでもユーザーの反応は「キーボードのフィーリングに近い」と歓迎するREALFORCEキーボードユーザーと、押し込みの距離が長く、連打に向かないというゲーマーを中心とした声が多く見られた。当初は今以上にゲーミングマウスだという誤解が強かったという事情はあるものの、この印象はおそらくRM1でも変わらないだろう。

 実際、細かな違いはあるものの、前モデルとRM1の違いは大きくはない。だが、東プレの姿勢としては大きな違いがあったように感じる。例えば、前モデルはオープン価格だったのに対し、RM1には定価が定められている。

 これは販売流通が家電量販店中心からネット販売中心に変わったためだ。そして、実売価格1万8000円前後から4000円近い値下げというのも、かなりマーケティング的な狙いがあったように感じる。

 世界初の静電容量無接点方式スイッチ採用マウスの購入者は価格を気にしないイノベーター(革新者)が多かっただろうが、2製品目となるRM1ではアーリーアダプター(初期採用層)もしくはアーリーマジョリティー(初期追随層)が増えてくる。

 RM1では外箱の簡素化や、底面のレポートレート切り替えスイッチの廃止など、コストカットを進めながらも、マウスソールにPTFEを採用したり、前モデルで指摘の多かったホイールやサイドボタン、ケーブル部のがたつきを解消するなど、廉価版という位置付けではなく、明らかに上位版の仕上がりとなっている。

 消費者の「ここまでなら出せる」という金銭感覚と、「これになら出せる」という満足感のすり合わせ、それがRM1というモデルに結実しているといえるのではないだろうか。

 東プレのゲーミングキーボードREALFORCE GX1は発売当初、4段階のAPC設定が可能だったが、ファームウェアアップデートによって0.1ミリ単位30段階のAPC、Kill Switch機能が追加され、品薄状態となるほどの売れ行きとなっている。

 RM1はゲーミングマウスではないが、同じ静電容量無接点方式スイッチを採用しているだけに、今後われわれが想像もしなかった機能が追加されるかもしれない。そういった期待を感じさせるシリーズ化、その第一弾としてRM1は堅実な一歩を踏み出したといえるだろう。

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