Googleは8月30日、同社のWeb検索における「生成AIによる検索体験 (Search Generative Experience:SGE)」の日本語版の試験運用を開始した。試験運用されるサービスの利用は希望制で、有効なGoogleアカウントにログインした状態で「Chromeブラウザ」または「Googleアプリ」から申し込む必要がある。
【更新:9時50分】実際に使った際の様子を追加しました
SGEは6月から米国において英語版の試験運用が始まっている。今回、試験運用の範囲を拡大し、日本において日本語版の試験も始まることになった。利用には、以下のいずれかの環境を用意する必要がある(現時点では他の環境での動作はサポートしない)。
利用を希望する場合は、上記の環境から「Google Serarch Labs(サーチラボ:GSL)」にアクセスし、「ウェイトリスト(待機列)」に登録する必要がある。ChromeブラウザやGoogleアプリにフラスコのアイコンが表示されている場合は、そのアイコンからGSLにアクセスすることも可能だ。
ウェイトリストという呼び方からも分かる通り、SGEの試験運用は「ロールアウト方式」を取っているため、全てのユーザーがすぐに使えるとは限らない。利用できる状態になると、Googleアカウントで登録しているメールアドレス宛に通知メールが届く(Googleアプリの場合はアプリでの通知でも告知する)。通知が来たら、GSLのWebサイト(またはフラスコのアイコン)からSGEを有効化することで試験に参加可能だ。
SGEの試験運用では、今後のGoogle検索サービスや、検索と連動するWeb広告の表示方法の“在り方”を模索するという。
リリース当初のバージョンでは、検索ワード/フレーズについて、検索結果の概要を表示したり、質問に回答したりできるという。結果に対する“さら問い”ができる「会話モード」も実装されている。SGEによって生成された表示は、背景色で明確に区別できるようにされている。
また、概要/回答が表示される場合は、情報源(ソース)へと容易にアクセスできる導線を用意している。検索を使うユーザー目線では「情報の確認しやすさ」、ソースサイトの目線では「トラフィックの送り込み(送客)」も重要視した結果だという。
なお、結果の“品質”を優先する観点から、全ての検索ワード/フレーズで生成AIによる概要や質問への回答が表示されるわけではない。常に学習を進めることで、高い品質を維持できるように取り組んでいくという。
Google検索といえば「Web広告」も付きものだが、SGEでもWeb広告は引き続き表示される。
広告の出方は現行のGoogle検索の結果画面とおおむね同様で、広告枠による表示には「スポンサー(Sponsored)」という太字が必ず添えられる。先述の通り、SGEでは生成AIによって表示された部分(概要/回答)も明確な区別をもって表示されるため、より一層区別がしやすい面もある。
Web広告の出し方については随時見直しを図っているとのことで、表示について気になることがあったら積極的にフィードバックしてほしいという。
機能を有効化した後、生成AIによる概要/回答の表示に対応している検索ワード/フレーズを検索すると、「AIによる概要を生成しますか?」と聞かれるので、「はい」と答えるとコンテンツが表示される。一度回答すれば、以後の検索ワード/フレーズの結果には、原則として生成AIによる概要/回答が自動表示されるようである。
まだ使い始めて時間はそれほどたっていないのだが、GSEはこの分野で先行するMicrosoftの「Bing」と比べると抑制的なアプローチであるように感じる。アグレッシブに生成AIを使うというよりは、検索結果にプラスするという感じである。
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