以前に、Googleの対話型AI「Bard」を試し、ChatGPTやBingと比較するという記事を書きました。そのときは、Bardは英語でしか利用できませんでしたが、5月10日(現地時間)に開催されたGoogle I/Oに合わせて日本語でも利用可能となりました。そこで今回は、改めて日本語での使い勝手や、新たに追加されたGoogleドキュメントやGmailへのエクスポート機能について確認してみました。
日本語対応ですが、単に日本語で質問できるようになっただけではなく、Bardのサイト全体が日本語化されており、かなり利用しやすくなった印象です。よくある質問や最新情報も日本語化されているので、必要な情報は見つけやすくなったといえます。
まずは、前回と同じく2023年のWBC優勝チームを日本語で質問してみました。回答自体は「3-2で日本がアメリカを破り、3大会ぶりに3回目の優勝を果たした」というシンプルな内容です。
Bingで同じ質問をすると、MVPには大谷選手が選ばれたという情報が追加されています。また、Bardに英語で同じ質問をした場合にも、やはり大谷選手がMVPだったと教えてくれます。
BardやBingは同じ質問しても、内容が変わることが多いですが、今回試した範囲では日本語のBardがMVPについて答えてくれることはありませんでした。このあたりは、英語圏では大谷選手のMVPがより大きく報じられたなどの影響もあるのかもしれません。
ちなみに、正確性についてはこれまで通り、参考にはなるものの、うのみにすることはできないというレベルです。例えば下記の回答では、「両チームが1点をリードする展開が続き、延長10回裏で日本代表が2点を挙げ、3対2で勝利した」とありますが、これは誤り。3対2は合っていますが、延長戦には入っていません。
誤った内容をもっともらしく答えてくるのはBardに限った話ではありませんが、Bingの場合にはソース情報へのリンクも追加されるので真偽を確認しやすくなっています。なお、Bardに関してもソースへのリンクが追加されるようになったとのことなのですが、筆者が試した範囲では、今のところ確認できていません。これができるようになると、Bardの回答をさらにWebで検索して答え合わせをするという手間はなくなりそうです。
もう1つ、新たに追加された新機能、GmailとGoogleドキュメントへのエクスポートも試してみました。まず、Bardにメールの下書きを依頼してみます。取りあえず「返品依頼」のメールを書いてもらいました。
その後、画面下部にあるアイコンから「Gmailで下書きを作成」を選択。
すると、Gmailの下書きフォルダにメールの下書きが作成されます。Bardの回答がそのまま本文に書かれているだけで、件名に「購入した商品が壊れてしまいました。返品したいので、その依頼メールを書いてください。」といった文章も入っている点には注意が必要です。
Googleドキュメントへのエクスポートも同様に、回答内容をマイドライブのGoogleドキュメントにそのまま書き出してくれます。
やっていることは単なるコピー&ペーストと変わらず、そこまで便利な機能というわけではありません。せめて件名を自動挿入するといった対応が欲しいですが、このあたりは今後に期待したいところです。
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