2022年11月にOpenAIが「ChatGPT」をリリースしてからというもの、毎日のように対話型AIに関する話題がネット上で見られるようになりました。対話型AIとは、ユーザーが投げかけた質問に対して、人が行うようにAI(人工知能)が自然な文章で回答してくれるというものです。
「検索と検索結果」に似ていますが、検索の場合、通常入力するのは検索ワード。複数の単語を区切りつつ入力する必要がある上、回答は関連Webサイトがリスト形式で表示されるだけです。それに対し、対話型AIでは、知りたいことを自然な文章で質問すれば、向こうも理解しやすい自然な文章で回答してくれる、という点が異なります。まるで、何でも知っている人と会話しているような感覚ですね。
ChatGPTには、言語モデルが搭載されています。言語モデルとは、人間が書いたり話したりするときに出てくる単語の確率をモデル化したもので、これにより、意味のない単語の羅列ではなく、人間が返すような自然な文章で回答してもらえます。
公開当初、ChatGPTには「GPT-3.5」が搭載されていましたが、2023年3月14日には新バージョンの言語モデル「GPT-4」を発表。利用には、月額20米ドルのChatGPT Plusを契約する必要がありますが、新言語モデルでは学習した知識量も自然らしさも増しているといいます。
2023年2月7日にMicrosoftの検索エンジンはChatGPTの技術を活用した「新しいBing」へと生まれ変わりました。その後、3月14日には同エンジンがGPT-4で動作していることを発表。今後、OpenAIの言語モデルアップデートに応じて、更新していくようです。
では、同じ言語モデルGPT-4を搭載したChatGPT(有料)と新しいBing(無料)、検索結果に違いはあるのでしょうか。そもそもスマホから使うことができるのでしょうか。検証してみましょう。
どちらのサービスもスマホで使えます。ChatGPTはWebブラウザがあれば利用できますし、BingやBingの使えるWebブラウザ「Edge」にはスマホ向けアプリがあります。
なお、現時点でOpenAI公式のChatGPTアプリはありません。発行元を把握した上でインストールするのであれば問題ありませんが、同じような名前だからといって、公式アプリと勘違いしないように気をつけたいところです。
ChatGPTは、使えるメールアドレスさえあれば登録できますが、BingにはMicrosoftアカウントが必要です。
「会社でMicrosoft 365を使っているから問題ない」と考えるかもしれませんが、新しいBingは、今のところ個人用アカウント限定で使える機能。Microsoftアカウントは無料なので、1つ作っておきましょう。
まず、OpenAIサイトから「Try ChatGPT」をタップしてChatGPTサイトを開き、「Sign up」からChatGPTアカウントを作りましょう。先に作っておいたMicrosoftアカウントで登録することもできましたし、Googleアカウントでも可能です。もちろん、それ以外のメールアドレスも使えます。
Bingを使うには、まず各アプリストアからBingアプリをダウンロードしておきましょう。インストールが終わったらアプリを開き、Microsoftアカウントでサインインすると順番待ちリストに登録されます。
「順番待ち」と表示されていますが、実際にはすぐに承認されて使い始められます。
ChatGPTでAIと会話するには、ChatGPTサイトを開きます。このChatGPTログイン画面へのショートカットをホームに置いておくと、アクセスしやすいでしょう。
ログイン後、画面下の「Send a message…」をタップして質問しましょう。日本語でOKです。
Bingの場合は、アプリの画面下、中央にある「b」ボタンをタップ。アプリに位置情報へのアクセス許可を与えると、下部に「何でも聞いてください」というテキストボックスが表示されるのでそこに質問文を入力します。
質問を入力する前に、会話スタイル(チャットモード)を変更することもできます。選択肢は3つ。「独創性」「バランス」「厳密」です。
独創性は、新しいコンテンツ、つまり画像などを生成できますし、より長く表現力のある出力を行えます。ただし時間がかかります。バランスでは検索のような一般的なタスクに最適で応答速度が速いという特徴があります。厳密は、推測を最小限に抑えた、最も事実に基づいた回答をしてくれます。
今回は、バランスモードで試してみます。
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