ChatGPTに「一番お得なスマホの料金プラン」を聞いてみた GPT-4なら正しい情報を返してくれる?ChatGPTに聞いてみた

» 2023年04月10日 15時02分 公開
[田中聡ITmedia]

 OpenAIが開発した対話型サービス「ChatGPT」にモバイルに関連する質問をするコーナー。今回質問したのは、スマートフォンの料金プランに関してです。大規模言語モデル「GPT-3.5」と「GPT-4」の両方で試してみました。

 まずはデフォルトのGPT-3.5から。「一番お得なスマートフォンの料金プランを教えてください」と質問したところ、以下の回答が返ってきました。

残念ながら、私は国や地域によって異なる様々なスマートフォンの料金プランを提供する携帯電話会社の情報を持っていません。ただし、一般的に、プランの料金は、使用されるデータ量、通話時間、およびテキストメッセージの数に基づいて計算されます。

一番お得なスマートフォンの料金プランを選ぶためには、自分が使用する通信量を正確に知る必要があります。通常、データ量が多いほど、プランの料金も高くなります。また、プランに含まれる通話やテキストメッセージの数も確認する必要があります。

一般的に、複数のキャリアのプランを比較し、自分の使用量に合わせて最も適したプランを選ぶことをお勧めします。また、割引や特典があるかどうかも確認すると良いでしょう。

ChatGPT ChatGPT(GPT-3.5)の回答

 GPT-3.5では日本のサービスであるという前提がくみ取れず、「国や地域によって異なる」旨のメッセージが返ってきました。そこで、質問を「国内で一番お得なスマートフォンの料金プランを教えてください」に変更してみました。その回答は以下の通り。

日本国内で一番お得なスマートフォンの料金プランは、変動する可能性がありますが、以下は一例です。

現在、格安SIMやMVNO(仮想移動体通信事業者)が普及しており、大手キャリアに比べて料金が安くなっています。例えば、IIJmioやUQモバイル、楽天モバイルなどのMVNOでは、1GBあたり100円以下で利用できるプランがあります。

また、大手キャリアでは、通信速度制限がかかる場合があるが、格安SIMやMVNOでは通信速度制限がかかりにくい場合があるため、通信速度を重視する方にはおすすめです。

ただし、格安SIMやMVNOに移行する場合、MNP(番号ポータビリティ)や設定の変更など手続きが必要となるため、事前に確認しておくことが大切です。

 ChatGPTの学習データは2021年9月までなので、それ以降の情報はインプットされていません。例えば2022年に発表された楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VII」は参照していません。

 着目したいのが「IIJmioやUQモバイル、楽天モバイルなどのMVNOでは、1GBあたり100円以下で利用できるプランがある」のコメント。2021年9月時点で提供されていた「Rakuten UN-LIMIT VI」なら、1GBまで0円なのでほぼ正しい情報です(100円もかかりませんが)。

 一方、IIJmioとUQ mobileは、2021年9月時点で1GBあたり100円以下のプランは提供していません。IIJmioではeSIMの「データプラン ゼロ」が安価なプランではありますが、月額料金は165円(税込み)です。UQ mobileは2021年9月に現行プランの「くりこしプラン +5G」を開始しましたが、最安は3GBの1628円(割引込みで990円)です。プランの情報は誤りの多い内容となってしまいました。

 「大手キャリアでは、通信速度制限がかかる場合があるが、格安SIMやMVNOでは通信速度制限がかかりにくい場合がある」というのは、やや言葉足らずです。大手キャリアの現行プランでは、段階制プランで最大容量を超えると128kbpsに制限されますが、容量制限があるのはMVNOも同じです。UQ mobileやY!mobileなど、一部サービスでは容量を超えても1Mbpsで利用できるので、これを指しているものと思われますが、もう少し具体的に記載してほしいところです。ほぼ同義の「格安SIM」と「MVNO」を並列に挙げているのも違和感があります。

 続いて、GPT-4で「一番お得なスマートフォンの料金プランを教えてください」と質問をしてみました。

お得なスマートフォンの料金プランをお探しであれば、いくつかのポイントを検討して、最適なプランを見つけることができます。ただし、私の知識は2021年9月までのものであるため、最新の料金プランについては情報提供できません。それでも参考にしていただけるなら、以下の要素を考慮してください。

通信量: 自分が普段どれくらいのデータ通信を使用するかによって、適切なプランが変わります。データ通信量が多い場合は、大容量プランや無制限プランを検討しましょう。

通話料: 通話をよく使う場合は、通話料が安いプランや無料通話が含まれるプランがお得です。

家族割引: 家族で同じキャリアを利用する場合、家族割引が適用されるプランがお得です。

端末購入: 端末を分割払いで購入する場合、端末代金の割引があるプランがお得です。

キャンペーンや特典: キャリアやMVNO(格安スマホ)では、時期や条件によって、キャンペーンや特典が用意されていることがあります。それらを利用することで、お得なプランが見つかることもあります。

最適なプランを見つけるためには、自分の利用状況やニーズを把握し、複数のキャリアやMVNOの料金プランを比較検討してください。また、最新情報やプロモーションを確認することも重要です。

ChatGPT ChatGPT(GPT-4)の回答

 GPT-3.5との違いは、日本のサービスである前提をくみ取ってくれたことです。また、不用意に具体例を挙げず、一般的に注意すべきところをまとめてくれています。「一番お得なプラン」といっても、利用するデータ容量によって大きく変わってくるので、「普段どれくらいのデータ通信を使用するかによって、適切なプランが変わる」という意見は至極ごもっともです。フワッとした質問に対しては、一般論を交えながら無難に回答してくれるところがGPT-3.5との違いといえそうです。

 では具体的な質問をしたら、正しい情報を返してくれるでしょうか。「データ容量1GB以内で最もお得なスマートフォンの料金プランを教えてください」と質問してみました。回答は以下の通り。

2021年9月までの情報をもとに、データ容量1GB以内のお得なスマートフォン料金プランを提案しますが、現在の料金プランやキャンペーンについては最新情報を確認してください。

データ容量1GB以内のプランでは、通常、格安スマホ(MVNO)のプランがお得です。MVNOは大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しており、料金プランが安価であることが多いです。ただし、通信速度やエリアにおいて大手キャリアに劣る場合があります。以下は、いくつかのMVNOの例です。

UQモバイル

マイネオ

LINEモバイル

楽天モバイル

IIJmio

DMMモバイル

ソニーネットワークコミュニケーションズ (SONY NCS)

これらのMVNOのウェブサイトや料金プランを比較し、自分に合ったプランを選ぶことが重要です。また、初期費用や通話料、データ通信速度やカバーエリア、サポート品質なども比較ポイントとして考慮してください。最新の情報やキャンペーン情報は、各MVNOのウェブサイトやインターネットの評価記事などで調べることができます。

 選択肢が7つと多いのに加え、料金が書かれておらず、参考になるような、ならないような内容でした。また、LINEモバイルとDMMモバイルは2021年9月時点で新規受付を停止しています。スマホの料金プランで詳細な情報を正しく返すことは、まだ難易度が高いようです。

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