ChatGPT、Microsoft Bing、Google Bardの動向まとめ 今、対話型AIサービスで起きていること(1/2 ページ)

» 2023年03月30日 11時16分 公開
[山本竜也ITmedia]

 2022年11月のChatGPT公開以来、毎日のように対話型AI関連の話題がネット上をにぎわしています。直近ではGPT-4の公開やBardの一般公開、そしてMicrosoft 365 Copilotの発表など、情勢が日々変化してきています。

 だんだんと話題を追うのも大変担ってきていると感じるので、ここでは最近のAI関連の話題を整理しておきたいと思います。

OpenAI(ChatGPT)関連:新モデル「GPT-4」やプラグインサービスを発表

 2022年11月に一般公開されたChatGPTで、その言語モデルにはGPT-3.5が搭載されています。そしてOpenAIは3月14日(現地時間)、言語モデルの次期バージョンとなるGPT-4を発表しました。

対話型AIサービス 最新バージョンのGPT-4を発表したOpenAI

 GPT-4は多くの現実世界のシナリオでは人間よりも能力が劣るものの、さまざまな専門的、学術的なベンチマークでは人間レベルのパフォーマンスを示したとのこと。例えば、司法試験の模擬試験では受験者の上位10%程度のスコアを記録。GPT-3.5では、下位10%前後だったとのことです。

 また、GPT-4はマルチモーダルモデルなことも特徴です。これは、テキストだけではなく、画像を受け入れることもできるもの。インプットとして写真を与えて、その内容をGPT-4に説明させるといったことも可能です。

対話型AIサービス GPT-4の画像入力の使用例。画像を渡して何が面白いのかを説明させています

 今のところ、この画像入力機能はまだ提供されていませんが、GPT-4自体は有料のChatGPT Plusで利用可能。また、2月からプレビュー版として公開されているMicrosoftの新しいBingには、GPT-4を使用している発表されています。この他にChatGPT関連では、3月1日にAPIが公開されましたが、このAPIでもGPT-4が利用できるとのことです。

 そして3月23日(米国時間)には、ChatGPTのプラグインサービスを発表しました。ChatGPTをプラグインとして利用できるのではなく、ChatGPTに対してプラグインで機能を拡張できるというもの。例えば、レストランの予約や旅行に特化させるということが可能になります。

 また、ChatGPT自体は2021年時点のデータで学習を行っているのでそれ以降の新しい情報を答えることはできませんが、ブラウジングプラグインを利用すれば、インターネットから情報を検索してくることが可能になります。新しいBingでは既に利用できている内容ではありますが、それに近いことを自社アプリなどに組み込むことも可能になるわけです。

Microsoft関連:WordやExcelにAI機能を統合したMicrosoft 365 Copilotを発表

 2月に新しいBingでGPT-4を利用したチャット機能を公開したMicrosoftですが、3月16日(米国時間)には、MicrosoftはWordやExcel、TeamsなどにAI機能を統合するMicrosoft 365 Copilotを発表しました。簡単に言ってしまうとWordで文章を作成する際、どのような文章を書きたいのか指示(プロンプト)を与えると、その下書きをAIが作成してくれるというもの。Excelなどでは集計方法などを指示してデータの抽出やグラフ化なども行えます。

 Microsoft 365 Copilotは現在、一部の企業とテスト中で、価格やライセンスについては、今後数カ月以内に発表するとのことです。

対話型AIサービス Microsoft 365にAI機能を統合させた「Microsoft 365 Copilot」

 3月21日(米国時間)には、Bing Image Creatorをプレビュー公開しました。これは、OpenAIのDALL-Eモデルを利用した画像生成AIです。どのような画像を作成するかを文字で入力すると、それっぽい画像を生成してくれるというもの。現在は英語でしか利用できませんが、今後他の言語でも利用可能になる予定です。

 同様の画像生成AIは、これまでもDALL-E2やMidjourney、Stable Diffusionなどさまざまありましたが、Bing Image Creatorは今後、新しいBingのチャット機能でも利用可能になるとのこと。

対話型AIサービス 画像生成AIサービス「Bing Image Creator」

 なお、Bing Image Creatorは無料で利用できるのですが、利用するたびにブーストというチケットを消費します。このブーストがなくなると、画像生成に少し時間がかかるようになります。ブーストは毎週回復する他、Edgeブラウザなどを利用するとたまるMicrosoft Rewardsで交換もできます(500Rewordsで5ブースト)。

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