プロナビ

AMDが通信インフラ向け高効率CPU「EPYC 8004シリーズ」を発表 「第4世代EPYC」の“末っ子”

» 2023年09月18日 22時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 AMDは9月18日、新型CPU「EPYC 8004シリーズ」を発表した。搭載製品は、パートナー企業を通して順次発売される。

EPYC 8004シリーズ AMDが新型CPU「EPYC 8004シリーズ」を発売

EPYC 8004シリーズの概要

 EPYC 8004シリーズは、「Siena(シエナ)」という開発コード名で開発が進められてきた「Zen 4cアーキテクチャ」ベースのCPUだ。本シリーズの登場をもって、Zen 4/Zen 4cアーキテクチャベースの「第4世代EPYCプロセッサ」のラインアップは完成を迎える。

 今までの第4世代EPYCは「EPYC 9004シリーズ」として登場してきたが、本シリーズは千の位が「8」となっている。シリーズ名の千の位はCPUソケットを表しており、8は「Socket SP6」を意味するという。世代は同じながらも、従来のEPYC 9004シリーズ(Socket SP5)とは異なるソケットを用いることに注意が必要だ。

そろった! 第4世代EPYCでは、用途(ワークロード)によってバリエーションを用意する戦略を取っている
命名ルール EPYC 8004/9004シリーズのモデル名の識別方法。末尾の機能名プレフィックス(画像中の「Compute」の部分)は、バリエーションの広がりによって5種類にまで増えた

 EPYC 8004シリーズで採用されるZen 4cアーキテクチャは、オリジナルの「Zen 4アーキテクチャ」のCPUと比べると、実装密度と電力効率を高めたものだ。

 本シリーズは携帯電話のコアネットワーク施設や基地局などに設置される、エッジサーバを含む「ネットワーク機器」や、工場や店舗に置かれる「拠点サーバ」で使われることを想定している。これらの用途では単一のワークロードが繰り返し実行されることが多いので、電力効率を高めることを重視したということのようだ。

 なお、本シリーズは全モデルがシングルプロセッサ専用となっている。後からマルチプロセッサ構成とすることはできないので注意しよう。

Zen 4c Zen 4cアーキテクチャは、Zen 4アーキテクチャをベースに実装密度を高めて、電力効率を改善したものだ
性能比較 単一のワークロードを繰り返す用途で使う場合は、汎用(はんよう)的なGenoa(開発コード名)よりも、今回登場するEPYC 8004シリーズの方がTCO(Total Cost of Ownership)を削減できるとしている

 モデルによってCPUコアは8〜64基構成で、TDPは70〜225Wとなる。メインメモリはDDR5-4800規格のRDIMMで、最大6チャンネル構成に対応している。外部バスはPCI Express 5.0(最大96レーン)で、一部をSerial ATAレーンやCXL 1.1+レーンに振り替えることも可能だ。

比較 EPYC 9004シリーズとの比較。EPYC 8004シリーズはCPUソケットが異なり、シングル稼働専用となる

ラインアップ

 EPYC 8004シリーズのラインアップは以下の通り。なお、モデル名末尾の「P」はシングルプロセッサ専用モデルであること、「N」はNEBS(Network Equipment Building System:米国における通信事業者向け機器の規格)に最適化されたモデルであることを示す。

  • 8コア16スレッド(L3キャッシュ:32MB)
    • EPYC 8024P(2.4GHz〜3GHz、標準TDP:90W/cTDP:70〜100W)
    • EPYC 8024PN(2.05GHz〜3GHz標準TDP:80W)
  • 16コア32スレッド(L3キャッシュ:64MB)
    • EPYC 8124P(2.45GHz〜3GHz、標準TDP:125W/cTDP:120〜150W)
    • EPYC 8124PN(2GHz〜3GHz、標準TDP:100W)
  • 24コア48スレッド(L3キャッシュ:64MB)
    • EPYC 8224P(2.55GHz〜3GHz、標準TDP:160W/cTDP:155〜255W)
    • EPYC 8224PN(2GHz〜3GHz、標準TDP:120W)
  • 32コア64スレッド(L3キャッシュ:128MB)
    • EPYC 8324P(2.65GHz〜3GHz、標準TDP:180W/cTDP:155〜255W)
    • EPYC 8324PN(2.05GHz〜3GHz、標準TDP:130W)
  • 48コア96スレッド(L3キャッシュ:128MB)
    • EPYC 8424P(2.5GHz〜3.1GHz、標準TDP:200W/cTDP:155〜255W)
    • EPYC 8424PN(2GHz〜3GHz、標準TDP:155W)
  • 64コア128スレッド(L3キャッシュ:128MB)
    • EPYC 8524P(2.3GHz〜3.1GHz、標準TDP:200W/cTDP:155〜255W)
    • EPYC 8524PN(2GHz〜3.1GHz、標準TDP:175W)
ラインアップ EPYC 8004シリーズのラインアップ
システムの例 EPYC 8004シリーズを搭載するサーバの例
比較 EPYC 8004シリーズの通常モデルと、Intelの第4世代Xeonプロセッサ(開発コード名:Sapphire Rapids)の主要モデルの「SPECpower_ssj」のスコアを比較したスライド。シングルプロセッサ構成における消費電力あたりのパフォーマンス(ワッパ)の優秀さをアピールしている
トランスコード エッジサーバではよくあるであろう、動画のトランスコードも競合よりも高速に行えることをアピールしている
IoTゲートウェイ IoTゲートウェイとしての処理パフォーマンスも優秀だという

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  9. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー