スマホサイズの電子ペーパー端末「BOOX Palma」を試す 片手読書も快適、だがあと一歩の惜しい点も(1/3 ページ)

» 2023年10月17日 12時05分 公開
[石黒直樹ITmedia]

 大の電子ペーパー端末好きである私ですが、その中でも中国Onyx Internationalの「BOOX」シリーズには非常に注目しています。製品が高品質なのはもちろんのこと、多彩なサイズの端末が発売されているのです。今回、電子ペーパー端末としては珍しい、スマホサイズの「BOOX Palma」が発売されました。実機を試す機会を得たので、早速使ってみました。

photo 電子ペーパーは画面がまぶしくないのが良いですね

 実際に試してみて、毎日使っているスマホサイズであるということが電子ペーパー端末であっても非常に使いやすいことが分かりました。しかしスマホの代わりにはなれません。スマホに近すぎるが故に、スマホではないもったいなさも感じた1台です。

 なお、ブラックモデルを試用しましたが、「これは移動時の読書にメインで使えるぞ」と判断し、自腹でホワイトモデルを購入しました。それくらい気に入りました。

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著者:石黒直樹(いしぐろ なおき)

ITコンサルを手掛ける(株)グロリア代表取締役。15年勤めた前職の野村総合研究所では、高い品質が求められる金融系システムを担当。大規模プロジェクト、開発、保守、運用など、情報システムに関するさまざまな経験の他、マネジメントや要件定義、システム設計、プログラミングといった知識も持つ。現職では大企業、中小企業、個人事業主と規模を問わず、自身のノウハウ全てを使って企業や組織のITを支援している。大のガジェット好きで、常に仕事にうまく生かせないものかと考えてしまう癖がある。モットーは「神は細部に宿る」。2児の父。主な著書に『情シスの定石』(技術評論社)。連載:「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記


電車での読書が抜群にはかどる

 私にとって、電子ペーパー端末は読書用端末です。BOOX Pageのレビューで紹介した通り、読書ワークフローの一部としてBOOXは手放せません。特に、移動時に使用する小さめの端末においては、ページめくりボタンの存在がとても重要になります。電車などでは、片手で操作できないと何かと不便であるためです。

 BOOX Palmaは、スマホライクなので当然音量ボタンを搭載しています。さらに、iPhone 15 Proシリーズで話題となった「アクションボタン」のように、カスタマイズできる「ファンクションボタン」を1つ搭載しています。

photo 国内代理店SKTのサイトより

 iPhone 15 Proのアクションボタンは長押しでの機能呼び出ししかなく、1つの処理しか割り当てられません。(「ショートカット」アプリを工夫することで、面白い使い方をすることはできます。参考記事:「ショートカット」で使い勝手が爆上がり アクションボタンとiOS 17で無双できる「iPhone 15 Pro Max」

 BOOX Palmaのファンクションボタンも1つだけを搭載していますが、「クリック」「ダブルクリック」「長押し」の3パターンで登録できます。次ページ、前ページ、フルリフレッシュを割り当てることで、ボタン一つで読書中によく使う機能を全て割り当てられます。

 2TBまでのmicroSDメモリーカードにも対応しており、私の読書ワークフローの一部として申し分のない立ち位置です。特に電車での移動時など、片手で操作をしたい、ポケットに入れて手軽に運びたい、といったシーンで大活躍です。重さも約170gで端末自体もすべりにくい手触りのため、ホールドしながらの使い心地も抜群です。

photo ホールドしながらでも、ファンクションボタンや音量ボタンが操作しやすいサイズ感
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