ここからは、T5 EVOの実際の性能を確認していく。今回は、以下の構成の自作PCでパフォーマンスをチェックした。
まず、ストレージのベンチマークテストアプリとしては定番の「CrystalDiskMark 8.0.4」を使って、データの読み書き速度をチェックしてみよう。テストデータは「デフォルト」と「All 0x00」の2パターンで計測を行った。All 0x00パターンはデータを圧縮しやすいため、SSDによっては“理論以上”のパフォーマンスを見せることもある。
主な結果は以下の通りだ。
どちらのデータパターンでも、シーケンシャル性能はほぼ公称値通りだった。
本機が対応するUSB 3.2 Gen 1では、理論上の最大データ転送速度が5Gbps、MB(メガバイト)換算すると毎秒約625MBとなる。その上限には及ばないものの、USB 3.2 Gen 1対応をうたう外付けSSDとしては比較的高速だ。
ランダムの読み書き、特にランダムライトはシーケンシャルとて比べ大きく落ち込むが、大容量データのバックアップと復元を主目的とする場合は大して気にならないだろう。
続けて、「ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2」を使って読み書き速度をチェックしてみよう。I/O(入出力)ブロックサイズは「512B〜64MB」、ファイルサイズは「256MB」にして計測した結果は、下の図の通りだ。
読み出し(リード)に関しては、256KB以上のブロックサイズならおおむね公称値に近いパフォーマンスを発揮している。書き込み(ライト)についても、4MB以上のブロックサイズであれば毎秒400MB超となるため、「大きなデータの保存先」としてはピッタリといえそうだ。
外付けストレージとしては、SSDだけでなくHDDやUSBフラッシュメモリといった選択肢もある。どれも年々大容量のものが安価に購入できるようになっている。
ポータブルSSDは、USBフラッシュメモリ以上のパフォーマンスを備え、基本的にはポータブルHDDよりも持ち運びやすい。持ち運びを前提に考えるなら、一番扱いやすいタイプのストレージといえるだろう。
Samsung Portable SSD T5 EVOは、サイズがコンパクトな上に質感も高く、大きなファイルのバックアップや復元をメインなら性能面で全く不満がない。USB Type-C端子を備えるPCで使う「初めてのポータブルSSD」として、ファーストチョイスの候補に十分なる一品だ。USB端子の給電能力が十分なら、スマホやタブレットで使うのも“アリ”といえる。標準の保証期間が3年間なのも心強い(参考リンク)。
スタンダードモデルとはいえ、容量が大きめゆえにT5 EVOの値段は少し張る。しかし、従来のポータブルSSDではあまり見かけなかった「8TBモデル」があるのは、本機の大きな特徴だ。誰でも大きなサイズの写真や動画を気軽に撮れる今の時代において「ストレージが足りない」状況における“救世主”として活躍を期待できる。
これからの季節、特に年末年始はPCやスマホ/タブレットのデータの整頓を行う人も多いのではないだろうか。その際、外付けストレージを新たに購入するのであればT5 EVOを選択肢に加えてみよう。
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