個人向け「Windows Copilot」が12月1日にやってくる 生成AIはPCの使い方をどう変えるのか?(2/2 ページ)

» 2023年11月21日 18時20分 公開
[山口恵祐ITmedia]
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度重なる名称変更でややこしい部分も

 Copilotは、提供される場所や使う場所によって名称が異なる。これまで「Bing Chat」と呼ばれていた、Webブラウザ上やアプリなどからWeb検索や回答、コンテンツ生成を行うものは「Copilot」と呼ぶ。

 一方で、Windows 11のタスクバーに表示されたCopilotのアイコンをクリックして出てくるサイドバーから利用するものは「Copilot in Windows」と呼ぶ。これはWeb検索などに加えて、Windowsの設定変更などPCの機能にまつわる操作にも対応するものだ。

「Copilot in Windows」でできること

 Windows 11のOSに組み込まれたCopilot in Windowsは、Webブラウザなどから利用できるCopilotの機能に加えて、Windows 11の設定変更やアプリの操作まで行える。

photo 「Copilot in Windows」の概要

 自然言語による質問では、例えば「コンパネを開いて(コントロールパネルを開いて)」でも通じるという柔軟性がある。PCのトラブルシューティングにも有効で、「音が出ない」と問いかけると、PCの設定をスキャンして解決策を提案できる。

 PCの操作に詳しくない人でも、設定の深い階層をたどらずに実現したい機能を有効化できるようになるだろう。

コンシューマー市況と日本マイクロソフトの期待

photo 日本マイクロソフトの竹内洋平氏(執行役員 常務 コンシューマー事業本部長 兼 アジアゲームマーケティングリード)

 日本マイクロソフトも、Copilotを始めとするWindows 11の新機能に大きな期待を寄せている。

 同社の竹内洋平氏(執行役員 常務 コンシューマー事業本部長 兼 アジアゲームマーケティングリード)は、PCのコンシューマー市場においてコロナ禍で高まったPC需要が一巡して現在はマイナス成長という状況ではありつつも、「AIの新機能によってPC市場は必ずプラス成長に転じる」「Windows 11はパフォーマンスや使いやすさが評価され、これまでのOSに比べて高い顧客満足度をたたき出している」として、Windows 11が競合プラットフォームと比べても高い競争力を維持していると話した。

 一方で、2025年10月にサポート終了を迎えるWindows 10をWindows 11に移行してもらう上での課題も見えている。竹内氏によれば、日本国内にある個人向けPC、約4800万台のうち、約2000万台がWindows 11にアップグレードできる要件を満たしていない状態だという。年間に約500万台ずつしか売れない個人PC市場では、Windows 11への移行に4年近くかかってしまう見立てだ。

 日本マイクロソフトは「直接的な告知を行っていく」として、Windows 10を使っているユーザーに対し、Windows 11移行を促す画面上の通知を行うなど積極的対策を取る考えだ。

 生成AIを活用したサービスは続々と登場しており、上記のようなAI機能が使えるサービスも既にたくさんある。しかし、WindowsというOSに機能が組み込まれることによって“生成AIの民主化”がより一層進むだろう。

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