うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、11月5日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
米OpenAIは11月6日(現地時間)、同社初の開発者向けイベント「DevDay」で、GPT-4の次世代モデル「GPT-4 Turbo」や、カスタムバージョンのChatGPTを作成できる「GPTs」を発表した。
GPT-4 Turboは、従来のGPT-4からパフォーマンスが大幅に向上しており、一度に処理できるテキスト量のコンテキストウィンドウが、8000トークン(一部開発者向けには3万2000トークン)から12万8000トークンに拡大した。よって1プロンプトあたり300ページ以上に相当する長文の回答が可能になった。パフォーマンスも最適化したため、入力トークンあたりの価格がGPT-4と比べて3倍安い0.01ドル、出力トークンは2倍安い0.03ドルとなる。
さらにGPT-4は2021年9月までの学習データを用いているため、最近の出来事に関しては正確な回答が出来なかったが、GPT-4 Turboでは2023年4月までの出来事に対応する。
一方のGPTsは、ChatGPTをベースに独自のチャットサービスを作成できるという機能だ。子供にボードゲームのルールを学習させたり、算数を教えたり、ステッカーをデザインするチャットAIを作成できる。
GPTsの利用にコーディングは不要で、自分用や社内向けなど用途に応じて簡単に作成できるとしている。ただし、今のところ利用できるのはChat GPT PlusとEnterpriseのメンバーのみだ。
イーロン・マスク率いるAI開発企業、米xAIは11月4日(現地時間)、対話型AI「Grok」を発表した。現在、Xの認証ユーザー向けに早期アクセスプログラムの受付を開始している。
Grokは、ダグラス・アダムス氏のSF小説「銀河ヒッチハイクガイド」をモデルにしたAIで、ほぼ全てのことに答えることを目的にしているとのこと。どのように質問すればいいかを提案することさえできるとしている。少し機知に富んだ質問に答えるように設計されており、ユーモアが嫌いな場合は使用しないようにともしている。
4カ月かけて開発した独自のLLM「Grok-1」を搭載しており、いくつかのベンチマークで、ChatGPT-3.5やInflection-1などを超える性能を記録。GPT-4のような大幅に大量のデータとコンピューティングリソースを使用してトレーニングしたモデルにはまだ及ばないが、xAIは卓越した効率でLLMをトレーニングするという点で急速な進歩を遂げているとしている。
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