エレコムのトラックボール新モデル「IST」で始める腱鞘炎対策トラックボールに挑戦!(3/3 ページ)

» 2023年12月01日 12時30分 公開
[瓜生聖ITmedia]
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インジケーターやボタンは天面に集中

 その他の点については、ISTは極めて一般的なトラックボールだと言ってもよさそうだ。底面には電池ボックス、ボールを押し出すための穴があるだけでスイッチなどはない。その他のほとんどの部分は滑り止めのラバーで覆われており、しっかりと固定できる。

 2.4GHz無線/Bluetoothモデルには天面、ホイールの下部に電源のスライドスイッチ、そしてBluetoothモデルにはペアリングボタンが搭載されている。

エレコム トラックボール IST ボール支持部 接続方法 無線 Bluetooth USB 2.4GHz無線モデル/Bluetoothは底面に電池ボックスがある。単三形乾電池1本でBluetooth接続モデルは最長約46カ月、2.4GHz無線モデルは約25カ月(アルカリ乾電池使用時の目安)動作する
エレコム トラックボール IST ボール支持部 接続方法 無線 Bluetooth USB マウスと異なり、大きな滑り止めのラバーが底面を覆っている
エレコム トラックボール IST ボール支持部 接続方法 無線 Bluetooth USB ホイール下部にあるのは電源のスライドスイッチで、その下はDPI変更ボタンではなくペアリングボタンだ

 ペアリングボタンはここになければならないのだろうかとも思ったが、複数のPCで利用する際には思いの他便利だった。何しろ、腱鞘炎にとって手首のひねりは御法度だからだ。トラックボールをひっくり返すという行為は痛みを伴う動作であるため、もし底面にペアリングボタンがあったらPCを切り替えるたびにストレスを感じていたことだろう。

 もっとも、最近のミドルレンジ〜ハイエンドのBluetoothモデルでは3台程度の接続先を設定できるものも多い。ISTはどのレンジに入る製品なのかというと、今回試したBluetooth接続の人工ルビーモデルが定価で1万3321円、エレコムダイレクトショップで7480円となっていた(ベアリングモデルは同1万6885円/9480円)。メーカー直販通販サイトでの価格が発売当初から半額近い価格だと定価とは一体、という気にもなるが、少なくともミドルレンジクラス以上の価格であるようには思う。

 カスタマイズは、エレコム製品共通のツールであるマウスアシスタント 5から行う。画面上では「ボタン機能割当」タブに13個のボタンが表示されているが、実際にISTに搭載されているボタンはボタン5までなので、カスタマイズできるボタンは実質的には中ボタン(ホイール押下)、進む/戻るボタンに限られる。

 IST特有の機能ではないものの、特徴的な機能がホイールを繰り返し一定速度以上で回すことで、ホイールが止まってもスクロールし続けるフライングスクロールだ。他社の高級マウスで見られる、フリースピンホイールの動きをソフトウェア的に実現したものと考えると分かりやすいだろう。

 マウスポインターの速度もマウスアシスタント 5から設定できるので変更してみたが、同時接続している別のマウスの速度も変わってしまった。これはISTがOSに伝える移動量を変更するものではなく、OSのマウスポインター速度を変更するもののようだ。

エレコム トラックボール IST ボール支持部 接続方法 無線 Bluetooth USB 専用ユーティリティーの「マウスアシスタント 5」エレコム マウスアシスタント5でマウスポインターの速度を変更すると他の接続しているマウスにも影響を及ぼす

トラックボール、いけるかも!

 今回、ISTベアリングモデルを試した後に人工ルビーモデルを試したわけだが、個人的な感触で言えば、ISTベアリングモデルはマウスからの宗旨替えを真剣に考えさせるに十分すぎる快適さだった。エルゴノミクスデザインのマウスは多々あるものの、マウス自体を動かすという操作からは逃れられない。その点、トラックボールであれば手首への負担のない状態のまま、動かさずに済む。

 実はこの原稿を執筆する前に、キーボード使用時の手首の負担を軽減するためエレコムのリストレスト「COMFY(ダブル)」を購入していたのだが、試しにISTと合わせて使用するとこれがことのほか快適だった。ISTの持つエルゴノミクスデザインの傾斜に加え、リストレストで手首に高さを加えるとさらに自然なフォームになる。すぐさま追加でIST用に「COMFY(シングル)を購入した次第だ。

 だが、一つ気になるのがデバイスとしてのスペックの物足りなさだ。最近のハイエンドモデルマウスであれば3台程度の同時接続や、Bluetooth/2.4GHz無線の両対応などは当たり前に装備されている。

 DPIやレポートレートの変更によって、同時接続している他のデバイスに影響を与えることなくポインター速度を調整することも可能だ。これがエントリークラスの製品であれば文句はないのだが、ISTの価格帯はミドルレンジからハイエンドの入り口くらいに位置する。

 複数PCを利用していなければ問題にならないところかもしれないが、ハイブリッドワーク環境が普及している現在では社用PCと私用PCで同じディスプレイ、同じキーボード、同じポインティングデバイスを使い回すケースは増えている。操作感のいいデバイスであるだけに、全ての機器をISTで操作したいというニーズにも応えてくれるとありがたいのだが、これは次の一手に期待したい。

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