つい先日、1月24日は初代「Macintosh」の発売から40周年の記念日だったという。
ほぼ時を同じくしてApple Vision Proが米国で出荷されるわけだが、共通点はコンピュータと人間の関係を大きく変える提案を行っているということだ。
パンチカードやマーキングカードにプログラムを書き、紙テープに変換してから読み取らせていた時代から、文字を直接入力する「CUI(Character User Interface)
時代を経て、グラフィックス表示を通じて対話する「GUI(Graphical User Interface)」の時代――無機質な“計算機”が、少しづつ人に近づいてきたのが「パーソナルコンピュータ」の歴史だ。
iPhoneを始めとするスマートフォンでは、GUIの操作がマウス主体からタッチ操作主体に置き換えられた。現在は、そこにAI(人工知能)技術が導入されて、自然言語による入力や操作の精度が実用レベルにまで上がってきた。しかしそれでも、視覚に訴える領域はMacやWindowsに代表される“GUIの世界”から逸脱していない。
自然言語入力が実用的になってきているとはいえ、入力手段についてはGUI黎明(れいめい)期に「必要悪」のように扱われたマウス(あるいは、その派生であるタッチパッド/トラックパッド)が、現在も主流であり続けている。さらに以前から存在するキーボードも、手放せずにいる。
「Apple Vision Proの発売日に立ち会いたい」という欲望は、これまでのコンピューティングにおける制約から“解放”される第一歩、その瞬間を共有したいという気持ちから来ている。
「パーソナルコンピュータ」の歴史的な節目は、UIの革新が生み出してきた。ならば、今回はその歴史的瞬間、節目に違いないと考えている。
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