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「Chromebook Plus」って何だ? 「Chromebook」とは何が違う? ASUS JAPANの新モデルを試す(2/3 ページ)

» 2024年03月01日 17時30分 公開
[Yukito KATOITmedia]
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そもそも「Chromebook Plus」の定義は?

 “パワフル”をうたっているだけあって、Chromebook Plusには以下の要件(ベースライン)が定められている。

  • CPU:第12世代Core i3以降/Ryzen 3 7000シリーズ以降
  • メモリ:8GB以上
  • ストレージ:128GB以上
  • Webカメラ:1080p(約207万画素)以上で、時間的ノイズ除去リダクションに対応
  • ディスプレイ:フルHD(1920×1080ピクセル)以上のIPS液晶

 Chromebookとして見ると、結構ハイスペックなモデルといえる。これであれば、スペック面でChromebookを諦めていた企業ユーザーはもちろん、個人のパワーユーザーでも満足の行くパフォーマンスを発揮できるだろう。

CPUロゴ Chromebook Plusでは、一定水準以上のCPU/APUを搭載する必要がある。Chromebookで良く使われる低価格帯PCで使われるCPU/APU(Intel NプロセッサやAthlonプロセッサなど)では、Plusを名乗れない
ディスプレイ ディスプレイもフルHD以上のIPS液晶とする必要がある(左がCX34、右がCM34 Flipの液晶ディスプレイ)

今回レビューするChromebook Plusの特徴は?

 記事掲載時点において、Chromebook PlusはAcer、ASUSTeK Computer、HP、Lenovoの4社からリリースされている。

 先述の通り、今回はASUS JAPANからASUS Chromebook Plus CX34とASUS Chromebook Plus CM34 Flipの2モデルを借用できたので、それぞれの特徴を簡単にチェックしていこう。

CX34:丈夫さ重視でCore i3プロセッサ搭載

 ASUS Chromebook Plus CX34 (以下「CX34」)は、第12世代Core i3プロセッサ(開発コード名:Alder Lake)を搭載するクラムシェルタイプの14型Chromebook Plusだ。ボディーカラーはホワイトのみとなる。

ASUS Chromebook Plus CX34 ASUS Chromebook Plus CX34はホワイトボディーのクラムシェルボディーが特徴だ。Chromebook Plusのロゴも印字されている

 CX34の主なスペックは以下の通りだ。

  • CPU:Intel Core i3-1215U(Pコア2基4スレッド+Eコア4基4スレッド)
  • RAM:8GB LPDDR5
  • ストレージ:128G UFS
  • ディスプレイ:14型フルHD液晶(非光沢、タッチ操作対応)
  • Webカメラ:1080p撮影対応(プライバシーシャッター付き)
  • 外部ポート:USB 3.2 Gen 1 Standard-A×2、USB 3.2 Gen 1 Type-C×2(※1)、HDMI出力、3.5mmイヤフォン/マイクコンボ端子
  • サイズ:約32.64(幅)×21.43(奥行き)×1.87(厚さ)cm
  • 重さ:約1.44kg

(※1)USB PD(Power Delivery)規格の電源入力と、DisplayPort Alternate Mode準拠の映像出力にも対応

 ボディーは「MIL-STD-810H(MIL規格)」に定める耐衝撃性能を確保しており、サイズと重量も相まって外出先に持ち出しやすいことは心強い。デザインも非常にシンプルなので、コンシューマーユーザだけでなく、企業ユーザーにも“一押し”だ。

左側面 左側面にはUSB 3.2 Gen 1 Type-C端子のみを備える
右側面 他のポート類は右側面に集中配備している。USB 3.2 Gen 1 Type-C端子は左右両方にあるので、電源ケーブルを取り回しやすい
ACアダプター ACアダプターは45W出力のものが付属する
キーボード キーボードは日本語配列だ。他の配列とベゼルを共有しているせいか、所々のキーが隣接するなど“いびつ”な部分が見受けられる
裏面 本体裏面
180度 画面は約180度開く

CM34 Flip:画面を反転してタブレットライクに使えるRyzen 3搭載2in1モデル

 もう1つのASUS Chromebook CM34 Flip(以下「CM34 Flip」)は、Ryzen 7020Cシリーズを搭載するコンバーティブル式の2in1タイプの14型Chromebook Plusだ。ボディーカラーはジンク(亜鉛:明るめのグレー)とポンダーブルーの2種類と、先に紹介したCX34と比べるとコンシューマー色が強い(日本ではジンクのみ用意)。

ASUS Chromebook CM34 Flip ASUS Chromebook CM34 Flipは、先に紹介したCX34と比べるとポップな外観となっている。日本ではジンクの1色展開で、APUの異なる2モデルが展開される

 今回レビューするのは「Ryzen 5 7520C」を搭載する上位モデルで、主なスペックは以下の通りだ。

  • APU(GPU統合型CPU):Ryzen 5 7520C(4コア8スレッド)
  • メモリ:8GB LPDDR5
  • ストレージ:128G SSD(PCI Express 3.0接続)
  • Webカメラ:1080p撮影対応(プライバシーシャッター付き)
  • ディスプレイ:1920×1200ピクセル液晶(光沢加工、タッチ操作/ペン入力対応)
  • 外部ポート:USB 3.2 Gen 1 Standard-A、USB 3.2 Gen 1 Type-C×2(※1)、HDMI出力、3.5mmイヤフォン/マイクコンボ端子、microSDメモリーカードスロット
  • サイズ:約31.96(幅)cm×23.53(奥行き) ×2.07(厚さ)cm
  • 重さ:約1.85kg

 こちらは重量がやや重めなため、常時持ち歩くのは少し厳しい。一方で、CX34とは異なりタブレットライクに使える上、ペン入力にも対応するので、用途次第では一層便利に使える。

 日本向けモデルのSSD容量は128GBのみとなるが、海外では最大512GBのSSDを備えるモデルも用意されている。クラウドストレージ(Google ドライブ)の利用を前提とするChromebookだが、米国では「ローカルストレージの容量をもっと大きくしてほしい」というニーズが強いと聞き及んでいるが、大容量ストレージのオプションが用意されていることも。従来のChromebookにはない特色といえる。

左側面 左側面のポート類。付属のペンを収納するためのホルダーも用意されている
付属のペン 付属のペンはUSI 2.0規格に準拠しており、本体に収納しておくと充電される
ペン タッチ操作だけでなくペン入力もできるため、コンバーティブル機構も相まってより便利に使える
右側面 右側面には電源ボタンやボリュームボタンも備える
ACアダプター 付属するACアダプターはCX34と同じもので、出力は45Wとなる
正面 キーボードは日本語配列だが、CX34と同様に設計上の都合から“いびつ”な部分が見受けられる
背面 背面もしっかりとデザインされている

 次のページではChromebook Plus“ならでは”の機能と、CX34とCM34 Flipのパフォーマンスをチェックしていく。

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