標準で付属するACアダプターの出力仕様は35W(8コアモデルは30W)だ。IntelやAMDの主力CPUを搭載したWindowsのノートPCでは最低でも45W、同等性能となると、最低でも90Wクラスになるので、ちょっとした衝撃だ。
サイズも小さく、重量も約162gしかない。なお、本体の充電端子はMagSafe 3で、接点となるマグネットは絶妙で心地よい強度に調整されている。
バッテリー容量は公称値が52.6Whとなっている。ただ、システム情報表示ツールで確認すると約60Wh(4560mAh)だった。公称のバッテリー駆動時間については、約18時間の動画再生(Apple TVムービー)、約15時間のワイヤレスインターネットアクセスが可能という記述がある。
今回は、画面の輝度50%にして、Wi-Fi 6経由でインターネットに常時接続、Bluetoothマウスも接続した環境でYouTubeの動画を再生し続けたところ、6時間経過後のバッテリー残量は65%を示していた。このまま同じペースでいくと残り5%まで16時間動作できることになる。公称値を裏付ける結果だ。
前述した通り、システムの中核となるSoC(System On Chip)はApple M3チップを搭載する。M3チップでは、ハードウェアレイトレーシングアクセラレーターの統合やAV1のハードウェアデコードに対応するなど、GPUコアの強化が目立つが、CPUコアやNeural Engineも先代から順当に高速化されている。
このM3チップを搭載したMacBook Airは、先代機同様にファンレス設計だ。ボディーサイズは約30.41(幅)×21.5(奥行き)×1.13(厚さ)cm、重さは約1.24kgで、この薄っぺらいボディーにこれだけのリッチなプロセッサを搭載しながらファンレスであるというのは、Windows PCの常識では考えられないことだが、それだけ電力効率が高いのだろう。
M3チップではプロセス技術がTSMCの5nmから3nmに進化しており、ファンレスだけに高負荷時のパフォーマンスの持続性やボディーの発熱などに良い影響がありそうだ。
通信機能はWi-Fi 6E対応の無線LANと、Bluetooth 5.3を標準装備する。本体にある端子は最小限だ。2基あるUSB Type-Cは、どちらもUSB4(40Gbps)、Thunderbolt 3(40Gbps)、画面出力(DisplayPort)、本体の充電にも対応している。
今世代からはカバーを閉じた状態(つまり内蔵の画面を使わない)では2画面の同時出力もできるようになった。
自宅やオフィスなどでは本体は閉じて2画面の大きな外付けディスプレイで使いたいという需要はそれなりにあると思われるので、地味に大きな要素といえる。
キーボードのキーピッチは横が約19mm、縦が約18.5mmとなっている。ストロークは浅いがキーキャップに微妙なカーブがついており、タイピングの感触は悪くない。電源ボタンにTouch ID(指紋センサー)が一体化されており、そっと触れるだけでログインできる。
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