ベンチマークスコアだけでは実際の使用感が見えないため、下記の様な一般的な利用条件下での使用感を試してみた。今回は、負荷をなるべくかけた状態を想定しているため、Google Chromeのメモリセーバーはオフにした状態で試している。
上記の条件で利用したとしても、CPU使用率は平均して28%、GPUプロセスの使用率が平均して約98%位の値を示す結果となった。Web会議の動画自体も、ブロックノイズなどは発生せず、一般的な業務用Windows PCを利用しているときと遜色なく利用できている。
Web会議中に議事録を取るために、Google Docsのタブをクリックしてみたが、ほんの少しだけ反応が鈍いかな、と感じるレベルでの引っ掛かりはある。しかし、タブ切り替えができれば特に操作が重たいと感じることもなく、文字入力や文字変換もスムーズに行える。
Web会議中にYouTubeで動画を見る方は基本的に居ないと思うが、あえてこの状態で1080p画質の動画をYouTubeアプリで再生すると、さすがにタブの切り替えが1テンポ遅れる、Google Slideの描画が遅れるといったことがあった。
ただ、タブ切り替えさえできれば操作自体に引っ掛かりは発生せず、文字入力がもたつく事もなかった。
上記の事を考えると、一般的な業務利用を想定した場合、Lenovo IdeaPad Flex 3i Gen 8のように、Intel N100かつメモリが4GB構成でも難なく利用できることが分かる。さらに、Google Chromeのメモリセーバー機能をオンにすれば更に快適度は増すだろう。
ChromebookはGoogle Workspace(Google Driveやスプレッドシートなど)や、Webブラウザしか利用できないと思いがちだが、実はLinuxアプリを利用することも可能だ。
Chromebookの設定画面からLinux開発環境をインストールすることで、仮想マシン上で動くLinux環境を導入できる。その上で、ターミナルからaptコマンドを利用してアプリをインストールするか、Google Chromeで「.deb」パッケージをダウンロードすれば、Linuxアプリをインストールできるようになる。
ただし、ストレージ容量を大量に使用するケースではIdeaPad Flex 3i Gen 8では少し心もとない。もし、開発端末としてChromebookを調達する場合は、もう少しストレージ容量に余裕のあるモデルを選ぶと良いだろう。
Linuxアプリが利用できるとは書いたが、Android Emulatorがサポートされていない、ハードウェアアクセラレーションが利用できない、カメラがサポートされていないなど一部制約があることに注意が必要だ。
その他にPlayストアが用意されており、Androidアプリも利用できる。また、PlayストアではZoom for Chromebookのように、Chromebook向けのアプリも配信されている。先ほどのパフォーマンステストでは、SlackをGoogle Chromeで開いていたが、Playストアで公開されているSlackアプリをインストールすれば、アプリ単体としても利用できる。
なお、余談ではあるがIdeaPad Flex 3i Gen 8でも原神をPlayストアからインストールできるものの、タイトル画面が既にコマ送りとなることもあって、動作の重たいAndroid向けゲームタイトルをプレイすることは難しそうだ。
ここまでの試用によって、想像していた以上にN100搭載のChromebookが快適に利用できることが分かった。
どうしても普段からWindows PCを利用していると、低スペックでは快適に使えないと思いがちだが、ChromeOSであれば話は別だ。Windows/macOSに続く第三の選択肢として、お得に快適なPCを用意できるChromebookを検討してみるのもよさそうだ。
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