iPad Proから視線は外れるが、M2チップを搭載した新しいiPad Airは、ほとんどのユーザーにとって必要な性能や機能、品質を備える「iPadシリーズのスタンダード」が具現化している。その位置付け自体は、M1チップを搭載する先代から変わりない。しかし今回、画面のより大きい13インチモデルが登場したことで、その位置付けがより強固なものとなった。
先代のiPad Proと比べると、最新のiPad Airにない要素は「ミニLED液晶ディスプレイ」「超広角カメラ」「LiDARセンサー」「TrueDepthカメラ(Face ID)」などだが、 iPadを日常的に使う上で必要な機能は、ほとんどがiPad Airでカバーできてしまう。
大きな画面の13インチモデルが追加されたことで、iPad Airは文句なしの“メインストリーム”になったことは間違いない。
新しいiPad Airには、待望の13インチモデルが追加された。ハンズオン会場では、Apple Pencil ProやMagic Keyboardと一緒に試すことができた。ちなみに、イギリスでのイベントということもあり、Magic Keyboardはイギリス英語(UK)配列となっている新しいiPadは、新しいApple Pencil Proにも対応している。 新たに追加された「スクイーズ」(握り込むことでツールなどを表示させる操作)や「バレル」(Apple Pencilを回転させる新しい操作)といったアクションや、ハプティックエンジンによるフォースフィードバック効果などは、iPad Airでも利用可能だ。
もっとも、新旧問わずiPad Proとはディスプレイの品質は異なる。比較することに意味はないだろうが、「iPad Airで充分だ」という人は、これまで以上に多くなるかもしれない。
iPad Proと比べると、ディスプレイの品質は位置付け相応という感じとなる。しかし、13インチモデルが登場したことで、画面の“大きさ”からiPad Proに選んでいた人の一部がiPad Airに流れてくる可能性がある新製品登場後のiPadシリーズのラインアップは、他のApple製品におけるラインアップと共通する面がある。「MacBook Proに対するMacBook Air」あるいは「Mac Studioに対するMac mini」を思い浮かべれば、「新しいiPad Proに対する、新しいiPad Air」の役割も見えてくるはずだ。
13インチモデルが追加されたことで、iPad Airは大多数のユーザーにとっての優れた選択肢となった。そして、M4チップを搭載する新しいiPad Proは、クリエイティブな作業を進める上でプロフェッショナルが求める機器により徹し、妥協せず最新技術で理想へと近づくことができるようになったのだ。
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