機能面で気になったのは、アクティビティゾーンが長方形でしか指定できないことだ。最近の家庭向けネットワークカメラに搭載されている同様の機能では、道路を斜め方向から映したり、玄関口を見下ろすアングルで映したりする必要があることから、複雑な多角形が設定できるのが一般的になりつつある。
しかし、本製品は範囲こそ最大5つまで設定できるものの、形状が長方形だけなので、斜め方向からのアングルや、奥行きのあるアングルでは、正確に範囲を指定できない。これら範囲をきめ細かに指定しておけば、アプリの無駄な通知を減らし、カメラ自体のバッテリーも長持ちさせられるが、本製品はこの点においては不利だ。
特に屋内用ならまだしも屋外用カメラは設置場所が制限され、やむを得ず道路などに対して斜め方向に設置しなくてはいけない場合も多いので、どうしても不便に感じられる。RingやGoogleから乗り換えた場合、この点は真っ先に気になることだろう。
一方、動体検知そのものは試した限りでは取りこぼしも少なく、信頼性は高い。今回の試用にあたっては、それまで設置していたSwitchBotの屋外カメラと交換したのだが、SwitchBotでは頻繁に起こっていた、間違いなく通過したはずの人物や車が記録されていないミスが、1カ月ほど試用した限りではほとんど起こらなかった。24時間365日録画でないとはいえ、このあたりは頼もしい。
アクティビティゾーンは長方形でしか指定できないため、指定したい範囲が手前から奥に伸びているような場合は複数のゾーンを重ね合わせて擬似的に覆うしかない(左)。それが難しい場合は画面全体を覆うしかないが、これだと無関係な動きも拾ってしまいバッテリー消費も早くなる(中央)。動体検知のレベルや警報音にまつわる設定も行える(右)
動体検知の対象を判別する「スマート通知」はカメラごとに有効無効を設定できる(左)。本製品は人/乗り物/動物などのタグをつけられる(中央)。荷物検出の機能もあるが、これが有効にできるのはネットワーク内で1台のカメラのみだ(右)多少気になったのは、録画した映像の明るさが一定していない場合があることだ。例えばモーション検知では、数回に1回の頻度で、録画開始時に画面がハレーションを起こしたように真っ白になり、そこから徐々に正しい映像へと戻っていく現象が起こる。夜間撮影ではこれとは逆に、再生が始まって最初の1〜2秒は全体が暗く、その後に全体的に白っぽくなる、といった挙動が目立つ。
前回紹介した同社の屋内カメラでも、夜間撮影では途中でレベル補正がかかったように明暗が変化し、それまで見えていた暗所のディティールがつぶれて見えなくなることがあったが、それとはまた異なる症状だ。何らかの省電力設定が邪魔をしているのかと思い探してみたが、それらしい項目は見当たらなかった。撮影そのものはできているのだが、他社のカメラにない症状だけに少し気になった。
画面下段のプレビューに4つの動画が並んでいるが、わずか10分間に撮影された映像ながら、うち2つは明るさが全く異なっている。人物や乗り物といった属性とも無関係のようだ(左)。赤外線で撮影された動画も、そのたびに明るさが極端に異なっている場合がある
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