AcerがPC関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2024」(6月4〜7日、台湾・台北市)で、Copilot+ PCと同じぐらいのスペースを使って大々的に披露していたのは、コンパクトな3Dステレオカメラを始めとする、同社の裸眼3D立体視テクノロジー「SpatialLabs」だ。
会場で見られた新製品の3Dステレオカメラ「SpatialLabs Eyes」(ASEC-1)は、片目あたり800万画素の解像度を持つ2つのレンズでサイドバイサイド方式の3D写真や動画を撮影できる。ポケットに収まるコンパクトなサイズだ。
基本的にはフルオートで撮影できるが、ホワイトバランスやISO感度、シャッタースピードをマニュアルでも設定できる。将来のアップデートで3D動画のライブストリーミングや、オンライン会議(Zoom、Microsoft Teams、Google Meet)での利用もサポート予定だという。
背面にはファインダー代わりになる2.4型のタッチ対応ディスプレイを搭載している。本体は防水で、microSDメモリーカードスロットもある。重さは約220gで、バッテリー容量は1500mAhだ。
撮影した3D写真や3D動画はサードパーティー製を含む3DディスプレイやVRゴーグルなどで楽しめるが、最大限のクオリティーを発揮させたいなら、SpatialLabsに対応したAcerのノートPCやPCディスプレイ「Predator SpatialLabs View 27」「View Pro 27」が適しているだろう。
SpatialLabs Eyesの登場によって、3Dコンテンツの作成から表示まで、SpatialLabsのエコシステムが完成したと現場のスタッフは話していた。SpatialLabs Eyesの発売日は第三四半期(10〜12月)予定で、価格は549ドルとなる。
3D TV、3D映画……うっ、頭が。そう思ったのは筆者だけではないはず。これまで多くの企業が3Dコンテンツにチャレンジしてきたが、普及には至っていない。
Acerがなぜ今になって3Dに取り組むのか。3Dコンテンツのクリエイターが“暑苦しくて邪魔なゴーグル”を装着せず、裸眼で開発に没頭できるようにするため? それとも今度こそコンシューマーに裸眼3Dコンテンツが受け入れられる? 明確な答えは会場で見つけられなかったが、3D目……じゃなかった、3度目の正直で3Dコンテンツが普及したら、それはAcerの功績となるかもしれない。
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