さて、準備が多少大変かもしれませんが、慣れてしまえば流れ作業になるかと思います。おおよそ以下の流れとなります。
自分がVision Proを装着し、使ってもらいたいアプリを起動します。次に、iPadなどの表示機器を起動し、AirPlayを受信できるようにします。制限付きで渡す場合は「環境」の画像(いわゆる、バーチャル空間の背景です)も、見てほしい画像に変更しておきましょう。
なお、逆に、不要なアプリを終了しておきたい時は、強制終了させてしまいましょう。トップボタンとDigital Crownを同時に長押しすると、アプリを選択して強制終了させることができます。
iPadなどにビューミラーリングを設定しつつ、ゲストモードをオンにしましょう。オンにすれば、自身はVision Proを外してしまって大丈夫です。オプティカルインサートを使っている場合は、ここで外しましょう。マグネット装着ですので、扱いが楽ですね。
ミラーリング設定がうまく動作していれば、Vision Proを外してもiPad側は継続してミラーリングされたままの状態となります。
ゲストが装着し、画面に従って操作設定をしていきます。主にアイトラッキングの設定です。2〜3分あれば完了できると思いますが、iPad画面を見ながらフォローしましょう。
なお、Vision Proを持つ部位に困る可能性もあります。ライトシーリング部分はマグネット接着のため、外れて落とす可能性があります。一度外してみて、ここを持つと外れるかもしれない旨を伝えておくと安心でしょう。
起動しておいたアプリウィンドウがそのまま残った状態で再開されます。操作をフォローしながら、体験してもらいましょう。
なお、個人的に面白いなと思ったのは、予備知識がない方が操作すると、手をタップしたい部位に持っていき、タッチパネルのように操作しようとする点ですね。その方が直感的ではありますが、続けると非常に疲れそうです。目線を活用することで、手を膝に置いたままで操作できるのは、慣れは必要ですがよくできているなぁと思います。
ゲストがVision Proを外すと、自動でゲストモードは終了します。オプティカルインサートなど、忘れ物をしないようにしましょう。
後は「〇〇なことが出来そうだね」「〇〇は出来ないのかな」など、盛り上がりましょう。
Vision Proを体験する前に、今までどのようなAR/VR経験があるかで感想が変わってくると思います。他の機器がどのようなレベルなのかを知っておくのも、1つ、有益な情報かと思うので、私の体感をお伝えします。
一番の競合は、Metaの「Quest 3」でしょう。
→「Meta Quest 3」を仕事に生かす 最大5画面のデスクトップを表示するMR対応「Immersed」は神アプリか
Vision Proで表現していることと、ほぼ同じことができます。また、Meta Quest 3はコントローラーがあるので、ゲームなど、シーンによっては有利になることも多いと思います。
しかし、やはりハードウェア性能の差か、Meta Quest 3だと空間としての快適さが劣ります。現実空間の表示にやや粗さがありますし、手を動かしたりするとその部分がゆがむことがあります。アニメや映画の表現において、時空がゆがむようなイメージでしょうか。また、ハンドトラッキングも機能としてはありますが、精度が違います。アイトラッキングは非搭載であるため、手をボタンの方に向けて操作する必要もあります。
Vision Proの目線を使った操作はかなり直感的に違和感なく操作できてしまうので驚きがスルーされがちですが、それは現代の技術だとかなりすごいことなんだと伝えましょう。
また、ARグラスであるXREALとの比較についてです。
XREALでの画面の表示はかなりキレイですが、機能が拡張できるXREAL Beamといった機器を使っても、「空間にウィンドウを固定する」という実力はVision Proの方が上です。それくらい、Vision Proは空間上での位置がズレません。
また、XREALは目で一度に見える範囲が狭いです。これは搭載されているディスプレイが、本人の視野の一部にしか該当しないためです。目の上あたりの一定の範囲に投影しているイメージでしょうか。
なので空間にディスプレイを浮かせたとしても、大きな画面表示にすると、一度に全ての範囲が表示できません。顔を振って見る必要があるのです。この点、Vision Proは見える範囲は全て描画されますので、違和感がありません。
また、XREALはどうしてもスマホなどで画面内を操作する必要があります。ハンドトラッキングで操作できるVision Proは、別格の使いやすさだと思います。
当然、それぞれの価格は大きく違いますし、製品特性もかなり異なります。そうした違いも踏まえて、Vision Proを楽しめればよいのかなと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.