セミナーの最後には、マウスコンピューターの金子覚執行役員(第一営業本部 本部長)が登壇し、次世代の「パソコン教室」に置くべきPCについて説明を行った。
金子氏によると、教育分野では「パソコン教室」「高等学校」「(大学などの)研究室」からの問い合わせが最近増えているという。「年次で1.5倍くらいのペース」というので、伸び率としては結構大きいと考えてよいだろう。
GIGAスクール構想と並行する形で、文部科学省では職業系専門高等学校(農業高校や工業高校など)においてICT機器を使った「スマート専門高校」構想(事業)を推進している(参考リンク)。
この構想では、実現にむけて整備すべき装置類の例として「高性能PC端末を配備した実習室(パソコン教室)の整備」が挙げられている。そのこともあって、工業高校や大学の理工学部を中心にデスクトップPCに関する問い合わせが特に増えたそうだ。
このスマート専門高校は、政府が目指す「Society5.0」の動きの一環でもある。金子氏は「用途や目的別に、適材適所の端末(PC)を選ぶことが重要」とした上で、「Society 5.0時代の人材育成に高性能PCを導入した成果が出ている」として、マウスコンピューター製PCの導入例を幾つか紹介した。
茨城県立竜ヶ崎第一高等学校/付属中学校では、ビジネス向けPC「MousePro」のデスクトップモデルを10台導入した。「マインクラフト」を使って地元の商手院外を再現するなど、話題性の高い取り組みも行っている
樟蔭学園中学校/高等学校(大阪府東大阪市)では、ゲーミングPC「G-Tune」のデスクトップモデルが8台導入された。同校は日本教育情報化振興会が主催する「ICT夢コンテスト」において、2021年度の優良賞を受賞しているGIGAスクール構想の学習用端末を巡っては、「スペックが足りないのではないか?」という指摘が絶えない。特に学年が上がるにつれて児童/生徒の活用能力が高まると、その傾向が顕著になるとの指摘もある。しかし、「1人1台」の端末を確保する観点に立つと、予算が限られ、スペックを絞り込まなくてはならない。
パソコン教室を(再)整備して、そこに高性能PCを設置するという方法は、予算を抑えつつ、より高度な学習ができる環境を作る“一手”として有効だ。このような手法でICT環境を整備する学校や自治体は、今後増えていくことになるだろう。
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