撮影回りで特徴に挙げられる機能を、もう少し詳しく見ていこう。
本製品は160度という広い視野角が特徴だ。とはいうものの、水平140度の視野角を持つSpotlight Cam Plusと比較したところ、視野は逆にわずかに狭く、そこまで強みを感じられなかった。エントリークラスの屋外向けカメラより広いのは事実だが、競合製品を圧倒するほどの視野角の広さというわけではないようだ。
一方でもう1つの売りである12倍デジタルズームを試したところ、2K解像度ということもあってか、高さ約1.5mから撮った畳の表面までかなりはっきりと見ることができた。ふだんは俯瞰(ふかん)で撮影し、必要に応じてズームで細部を見るという使い方では威力を発揮しそうだ。
また前回の屋内向けカメラにはなかった機能として、夜間撮影用のスポットライト機能が挙げられる。初期設定では、ナイトビジョンで撮影中にモーションを検知するとライトが点灯する仕組みになっており、それまでモノクロで撮影していたナイトビジョンが、カラー表示に切り替わる。
この他、侵入者を威嚇する用途で手動でオンにするといった使い方もできる。明るさも自在に調節できるなど、設定はかなり融通が利く部類に入る。
以上のように、屋外向けカメラとしての機能は一通りそろっているのだが、実際に設置してみて気になったのは機能面ではなく、奥行きをかなり取ること、またそのせいもあって安定性があまり高くないことだ。
本製品は従来モデルにあたるPro 4や、以前紹介したEssential屋内用カメラよりも全長が長い上、壁面取り付け用のスタンドを本体後部に取り付けるため、さらに数cmがプラスされ、結果的に約15cm程度の奥行きが必要になる。このことは設置がしづらいだけでなく、衝撃などで角度が簡単に変わりやすいことを意味する。
さらにスタンド部はネジをどれだけきつく締めても、重量に負けて向きが変わってしまいやすい。同様に構造上、ネジを締める過程で、水平だったはずの視野が傾くこともしょっちゅう起こる。本製品を使っていてのストレスのほとんどは、このスタンドに起因するものだといっていい。
これは競合にあたるRingのSpotlight Cam Plusが、バッテリーを2個内蔵するぶん、ボディーサイズは本製品より大きい反面、前後に短いため安定性は高く、意図した角度でしっかりと固定できるのとは対照的だ。
この壁掛けスタンドはネジ穴の径が合いさえすれば交換可能なので、自前で別の製品を用意することもできるとはいえ、マグネット式のマウントを採用した従来モデルのPro 4よりも退化しているように見えるのはいただけない。ぜひ改良を要望したいところだ。
Arlo、広視野角撮影に対応したセキュリティカメラ「Pro 5S 2K」の国内販売を開始
ネットワークカメラの新しい選択肢! 球形ボディーの「SwitchBot 屋外カメラ」を使ってみた(前編)
ライト内蔵の防犯ネットワークカメラ「Ring Spotlight Cam Plus」を設置してみた
ライト内蔵の屋外用ネットワークカメラ「Ring Spotlight Cam Plus」をじっくり試して分かったこと
Arloブランドの「Essential屋内用カメラ(第2世代)」を試す Ringの屋内カメラとの違いは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.