FZ-G2シリーズの“2024年モデル”としては、ここまで紹介してきたCPUとシステムメモリの強化、それに伴うバッテリー駆動時間の延長とリアカメラの有効画素数の増加が主な変化となる。それ以外の部分においては、従来のFZ-G2シリーズが有していた「フィールドワークに求められる使い勝手を十分に取り入れた堅牢タブレット」の特性を継承している。
リアカメラの強化については、フィールドワークで現場の様子をデジタルカメラで撮影して、作業検討や業務報告、さらには現場からのリアルタイム報告にWeb会議ツールを利活用するケースが増えている。
このとき、今回のモデルで強化されたリアカメラからの画像は現場の状況を正確に伝えるために非常に有用といえる。また、F値が1.8と“明るいレンズ”となったことで、フィールドワークでありがちな「日が十分差さなくて暗めの写真が量産される」といった事態も減るはずだ。
フィールドワークの特殊事情という意味では、大音量スピーカーも意外な必須アイテムといえる。TOUGHBOOKは、工場であったりプラントであったりと、大きな騒音が発生している現場で活躍することも多い。
加えて、現場とバックアップオフィス(サポート拠点やコントロールセンター、開発室など)とのやりとりを音声チャットやビデオチャットで行うことも増えている。そのような現場だからこそ大音量スピーカーは必須条件といえる(本機の音圧レベルは88dB)。
本体に実装するインタフェースも、従来モデルと同様だ。使用していないときはロック機構を備えたカバーで多い防じん/防水を維持する。また、観測機器や測定機器、非接触タイプセンサーなど多種多様なデバイスの利用が想定されることもあって、モジュールタイプのインタフェースを必要に応じて組み込むことも可能だ。
パナソニックでは、デバイスの改良や進化に伴って対応インタフェース規格が変更してもモジュールを交換すれば本体の買い替えは発生しないとそのメリットを訴求している。
TOUGHBOOKの存在理由でもある頑丈さについては「MIL-STD-810H準拠の耐衝撃性能」「IP65準拠の防じん/防水性能」といった規格的な基準は当然として、「衝撃を受けてもフラットケーブルコネクターが抜けないように(製造過程では手間のかかる)バックフリック式コネクターを導入する」「衝撃を逃がして破損を防ぐために抜き差し部分を固定しないフローティングコネクター構造」など、実情を知っているからこそ実装できる頑丈PCのノウハウを惜しみなく投入している。
数値や規格に着目しがちなPCの評価だが、それだけでなく、現場を熟知しているからこその信頼を重視するユーザーにとって、FZ-G2Nは頼りになる道具であり続けるはずだ。
今回は標準構成のモデル(FZ-G2NBMBXAJ/直販価格は33万6490円〜)を取り上げたが、他にもワイヤレスWAN(LTE)モデルや、LTE/5G両対応ワイヤレスWANモデル(2025年1月〜3月に発売予定)も用意されているので、用途に応じて選ぶといいだろう。
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