一方で、AYANEO FLIP KBならではの便利さもある。1つは3段階で固定できるディスプレイ角度に180度があることだ。これにより、腕と掌外沿(手の小指側の側面)をテーブルにつけた状態で文字を入力していても、ディスプレイを目の高さに固定できる。
もう1つは、十字キーの存在だ。AYANEOデバイスには専用ユーティリティー「AYA Space」がプリインストールされているが、そのおかげで左のジョイスティックをマウスカーソル移動に、右のジョイスティックをマウスホイール代わりにして操作できる。十字キーはテキスト入力中ではテキストカーソルの移動に使える。
AYANEO FLIP KBのキーボードにもカーソルキーがあるが、その右側に配置された「AYA Space」キーを押してしまいがちだ。それならいっそのこと、「カーソル移動は左手で」と手に覚えさせた方がいい。これでずいぶん入力が楽になる。
もちろん、Google フォトやWindowsのフォトアプリなどで写真を次々と表示させるのも十字キーなら操作しやすい。むしろ、全キーボードに標準搭載してほしいと思うほどだった。
写真の編集作業では、ホコリ取りなど細かい修正をAYANEO FLIP KBのみで行うには無理がある。というのも、ジョイスティックでは繊細なカーソル移動が難しいからだ。
では光学フィンガーナビゲーションではどうかというと、こちらは長い距離のカーソル移動が不得手のようで、何より感度が良すぎて意図しないところでクリック操作してしまうことが多発した。思い通りに扱うには慣れが必要だ。
とはいえ、輝度変更/サイズ調整/傾き調整などは、本体のみで何の問題もなく行える。スマホで撮影した1枚4MB超の写真を9枚連結して1ファイルにしても、もたつくことはなかった。タスクマネージャーを開いたところ、メモリこそ78%の占有率であったが、それ以外はパフォーマンスに余裕があった。
4MB以上のデータ容量があり、4000×3000ピクセルで撮影した写真を9枚タイル状に連結してみた。スペックに余裕があるので、発熱する、ファンがうなる、といったこともなく12000×9000ピクセルの画像を処理できた次に30秒弱の短い動画にテロップを入れる程度の簡単な動画編集を行った。利用したアプリはWindowsで使える「ClipChamp」だ。
動画内の左上と右下に交互に表示されるようテロップを入れてみたが、メモリ占有率が一瞬80%になったものの、GPUは約50%程度、CPUは15%程度の占有率であった。
なお、テロップの位置調整のような繊細なマウスカーソルさばきをジョイスティックや光学フィンガーナビゲーションで行うのに慣れていなかったので、今回はディスプレイをタッチして操作した。
ここまで約3時間、AYANEO FLIP KBのみで作業した。入力した文章の見直しや修正作業などはキーボードを接続して行う予定だし、編集部による修正も入るだろう。しかし、素の部分、ここまでの文章作成は親指のみのポチポチ入力で行えた、ということは強調しておきたい。
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