Lenovoが考えるHybrid AIのうち、Enterprise AIとPublic AIはデータセンター向けソリューションとなる。
プライベートであれパブリックであれ、AI処理をデータセンターで行う場合、ユーザーはインターネット経由でクラウドにアクセスし、必要な情報を得たり処理を行ったりしている。
ここでは、省電力性やコンパクトさが求められるPersonal AIと比べると巨大なLLMが動作しており、それを支えるNVIDIAやAMDの高性能GPUがフル稼働している。こうした用途に向けたソリューションを抱えている点も、Lenovoの強みといえる。
今回のTech World 2024で興味深かったのは、Intel/AMD/NVIDIAという昨今のAIデータセンターを語るうえで欠かせないベンダー3社のトップがイベントに生出演した点にある。3人のうち、Intelのパット・ゲルシンガー氏は2024年12月に突然退任することになったが(参考記事)、AMDのリサ・スーCEOと共に「x86 Ecosystem Advisory Group」にちなんで、データセンター向けの最新の取り組みにおけるLenovoの重要性を改めて強調した。
Intelのパット・ゲルシンガーCEO(当時)は、同社の「Core Ultra 200V」のプロモーションに加えて、AMDと共同で立ち上げたx86 Ecosystem Advisory Groupをアピールした
x86 Ecosystem Advisory Groupの発表時にゲルシンガー氏とのツーショットが話題となったAMDのリサ・スーCEOも登壇。Tech World 2024では、同社のサーバ向けCPU/GPUやソリューションの紹介を行っていた
x86 Ecosystem Advisory Groupでは、IntelとAMDが共同でx86の開発環境を盛り上げていこうという試みだ。Lenovoを含むパートナー各社からは、賛同のメッセージが寄せられているそしてデータセンター向けAIを語る上で外せないのが、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOだ。Public AIのみならず、企業ユーザーがEnterprise AIで学習モデルを構築する際に、現状においてNVIDIAのソリューションは欠かせない。
LenovoではNVIDIAと共同で「Lenovo Hybrid AI Advantage」という取り組みを発表している。これはNVIDIA製GPUでCUDAが動作する環境において、企業ユーザーがすぐにAIの仕組みをすぐに導入できる「テンプレート」的なレポジトリを提供するというもので、企業/組織ごとのニーズに応じた実装が短期間で可能という。
AIワークロードの実行に当たり、GPUの発する膨大な熱の処理は大きな問題となる。Lenovoでは、「NVIDIA GB200(Blackwell)」クラスでも十分に冷やせる水冷機構を備えたシャーシ「ThinkSystem N1380 Neptune」と、これに対応するNVIDIA GB200システム「ThinkSystem SC777 V4 Neptune」を併せて発表している。
Public AIの展開ならびに、Enterprise AIでの社内へのAI導入を考える企業ユーザーのニーズを汲み取ろうとするベンダーらに向けたラインアップをアピールした格好だ。
NVIDIAのジェンスン・ファンCEOもTech World 2024に登壇した。AI時代のエコシステムを語るうえで外せない人物だが、主要半導体パートナー3社がLenovoのグローバルイベントに生出演という豪華な演出は、さすがに世界一のPCメーカーという印象を与えるにふさわしい
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