Lenovoは9月5日(ヨーロッパ中央時間)、ドイツのベルリンにおいて「Lenovo Innovation World 2024」を開催し、最新CPU/SoC搭載の新型ノートPCを発表した。ヨーロッパでは10〜12月にかけて発売される予定だが、日本での展開はコンシューマー向けモデルの一部を除いて未定となっている。
今回の新製品は、9月3日に発表されたばかりのCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)の他、Ryzen AI 300シリーズやSnapdragon X Eliteなど、いずれも強力なNPUを備えるCPU/SoCを搭載していることが特徴だ。特にCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)を搭載する製品については「Lenovo Aura Edition」という特別な呼称が付与されており、同社AI PC群の中でもアプリを中心に新機軸が盛り込まれている。過去2年間にわたる、IntelとLenovoの水面下でのコラボレーションの成果が結実したものだという。
なお、新製品と併せて発表されたコンセプトモデル「Lenovo Auto Twist AI PC」については、別の記事で紹介している。
先述の通り、今回の新製品のうちCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)搭載モデルは「Lenovo Aura Edition」という呼称が付けられている。具体的にはビジネス向けプレミアムモデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」と、コンシューマー向けプレミアムモデル「Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9(15インチ)」の2モデルが登場する。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの日本展開は未定で、ヨーロッパでは11月に販売国と数量を限って発売される予定となる。ヨーロッパにおける最小構成の想定価格は2699ユーロ(約42万8800円)となる。Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9は日本で9月6日から販売予約を受け付けており、9月下旬〜10月初旬に発売される予定だ。想定価格は24万9810円前後となる。
Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)を搭載する「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition(左)と、「Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9」(右)Aura Editionは、次の3つの機能がサポートしている。
Smart Modesには「Shield」「Attention」「Collaboration」「Wellness」の4種類の動作モードがあり、それぞれ「セキュリティ機能(VPNなど)の強化と自動化」「作業に集中するための各種タスクやタイマー設定」「バーチャル会議におけるパフォーマンスや動作の最適化」「姿勢や画面の凝視時間などを計測して健康状態のチェックとアラートを出す」といった機能を有効化できる。
Windows 11にはスマートフォンとの連携機能「Phone Link(電話リンク)」が実装されているが、Smart Shareはスマホとの連携をよりスムーズに行うための機能だ。
BluetoothとWi-Fi(無線LAN)でのリンクが両者間で確立している状態を前提に、スマホをPCに“タップ”すると連携アプリが起動し、ファイルのドラッグ&ドロップで両者間での写真などのファイルを簡単に共有できる。タップ操作は、AIによって両者の位置関係を判断してタップしているかどうかを判定しているとのことで、特別なハードウェアを必要としない。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura EditionとLenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9は、いずれもCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)を搭載し、「Copilot+ PC」の要件を満たしている。Microsoftが11月に予定しているWindows 11向けのアップデートを適用することでCopilot+ PCの特徴的な機能を利用できるようになる見通しだ。
今回の発表では、6月に発表されたAMDの最新APU「Ryzen AI 300シリーズ」を搭載する新モデルも披露された。
Ryzen AI 300シリーズはピーク時のAI演算パフォーマンスが最大50TOPS(毎秒50兆回)となっており、Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)と同様にCopilot+ PCの要件を満たす。
「ThinkPad T14s Gen 6 AMD」は、ThinkPad Tシリーズの14型モバイルモデルの第6世代だ。既にSnapdragon X Elite搭載モデルが発売済みだが、そのRyzen AI搭載版という位置付けとなる。日本展開は未定だが、ヨーロッパでは11月に発売される予定だ。ヨーロッパにおける最小構成の想定価格は2199ユーロ(約34万9400円)
搭載APUは、未発表の「次世代Ryzen AI PROプロセッサ」とされているが、順当に行くとRyzen AI 300シリーズに企業向け管理/セキュリティ機能「AMD PRO」を追加したものだと思われる。ディスプレイは1920×1200ピクセルの14型IPS液晶で、カスタマイズモデルではタッチ非対応パネル(sRGB色域100%カバー)とタッチ対応パネル(NTSC色域45%カバー)から選べる。
「ThinkBook 16 Gen 7+」と「Yoga Pro 7 Gen 9」については、共にAPUとして「Ryzen AI 9 365」を搭載する。Ryzen AI 9 365はRyzen AI 300シリーズに新たに加わったモデルで、CPUコアは10基20スレッド(Zen 5コア4基+Zen 5cコア10基)、稼働クロックは最大5GHzだ。内蔵GPUは「Radeon 880M」(12コア)となる。
ビジネス市場をターゲットにしたThinkBook 16 Gen 7+に日本展開は未定で、ヨーロッパでは12月の発売を予定している。ヨーロッパにおける最小構成の想定価格は999ユーロ(約15万8700円)だ。コンシューマー市場をターゲットにしたYoga Pro 7 Gen 9は、日本でも9月下旬〜10月初旬に発売される予定で、想定価格は25万9820円となる。
AMD製APU搭載製品としては、モバイル向けRyzen 7000シリーズを搭載した「IdeaPad Slim 5 Gen 10(13インチ/15インチ)」も登場する。本モデルの日本展開は未定で、ヨーロッパでは10月に発売される予定だ。ヨーロッパにおける最小構成の想定価格は699ユーロ(約11万1000円)となる。
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