最後に「ExpertBook P5」(P5405CSA)のPCとしてのパフォーマンスをベンチマークで計測した。
CINEBENCH R23によるCPU性能計測では、Multi Coreが9806ポイント、Single Coreが1892ポイントだった。Multi Core側は8コアなりの性能だが、古い世代の8コアよりは高い。Single Coreも1800を超えていれば十分に高いと言えるだろう。
PCMark 10のスコアは7435ポイントだ。Essentialsが1万657、Productivityが1万375、Digital Content Creationが1万86ポイントだった。統合GPUモデルであることを考えればおおむね高性能ビジネスノートPCと言ってよい。
意外にもDigital Content Creationスコアが高く、一般的なビジネス用途だけでなく、比較的軽めのデジタルコンテンツを扱う際にも不満のないパフォーマンスだ。
統合GPUモデルなので、3DMarkは軽量なテストを中心に計測した。Fire Strikeは8748ポイントといった具合で1万ポイントには達していない。つまりフルHD(1920×1080ピクセル)/DirectX 11でも少々重いわけだが、Solor BayやWild Life、Night Raidといったより軽量なテストのスコアは十分なため、グラフィックス負荷が低いゲームであれば楽しめるポテンシャルがある。
そこで、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を計測してみた。フルHDでは、最も軽量なプリセットの「標準品質(ノートPC)」で8877ポイント、快適評価といったあたりだ。平均60fpsはかろうじてクリアしている。
とはいえ、実際にスムーズな映像を楽しみたいとなるとHD(1280×720ピクセル)に解像度を下げた上で「高品質(ノートPC)」あたりに調整するのがよいだろう。これならとても快適評価となる89.77fpsを得られた。
バッテリー駆動時間の公称値は、JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.3.0の動画再生時で10.09時間、アイドル時で18時間、同Ver.2.0で22.7時間と長めだ。参考までに、電源設定を電力効率に指定した上で、ディスプレイの輝度を50%で計測したPCMark 10のバッテリーベンチマーク「Modern Officeシナリオ」の結果は22時間10分だった。
パフォーマンスの総評としては、十分に高性能なノートPCだ。ただし、Core iシリーズのようなCINEBENCH R23のMulti Coreで1万ポイントを超えるようなものではないが、モバイルPCに求められる性能を十分に満たす高い性能だ。PCMark 10のDigital Content Creationのように、これまで統合GPUモデルが不得意としていた部分も、1万ポイントを超えてきている。そして、この高性能という指標に新たに加わったのがAIだ。
AIは今後進化していくものなので、第1世代(実際には200シリーズなので第2世代だが)の本製品は、ある程度の性能を持ちつつも、AIが発展した未来から見ればまだ十分な性能とはいえないのかもしれない。とはいえ、AIでビジネスがどのように変化するのかは、実際に運用してみなければイメージできないだろう。
本機にインストールされたASUS ExpertMeetは、検証時はβ版だったものの完成した時にはビデオ会議の効率を向上させ、負担が減った分を別の仕事に回せる、同じプロジェクトでも納期を短縮、より多くの受注を受けられるといったメリットを生み出すだろう……といったAIを活用するビジネスのビジョンを提示してくれる。AIの可能性を探るために、ExpertBook P5に触れてみるのはよい選択といえるだろう。
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