デル・テクノロジーズ(以下、デル)は1月22日、「CES 2025」で発表したビジネス向けノートPCの新モデルを報道陣向けに公開した。製品ブランドを刷新し、商品ラインアップの分かりやすくした他、過去に発表したコンセプトモデルから着想したモジュラー型のUSB Type-Cポートを採用するなど、商品力の強化を図っている。
デルが発表したビジネス向けノートPCの新製品は、いずれも「NPU」(AI処理特化のプロセッサ)を内蔵したIntel Core Ultra(シリーズ2)シリーズやAMD Ryzenシリーズ、あるいはQualcomm Snapdragonシリーズを採用し、Copilot+ PC準拠のいわゆる「AI PC」をうたっている。
デルの白木智幸氏(クライアント製品 ブランドマーケティング コンサルタント)は、「AI PCの魅力を伝えるのに苦労していたが、自社のセミナーや顧客向けのデモ施設『Client Solution & AI Lab』などを通じてお客さまにお伝えしてきたものが功を奏してきた」と話す。実際に同社の調査では、2024年7月時点でAI PCの認知度が7.3%だったのに対し、同年10月には70.44%まで向上したという。
また、同調査の「AI PCに期待すること」という項目では、上から「業務効率の向上と精度向上(AIによるエラーチェックなど)」「自動化の推進(資料作成/レポート作成の自動化など)」「コスト削減(メンテナンスコストの低減など)」「セキュリティ強化(ローカルAIによる脅威の検出と防御など)」が挙がったという。
ただ、こうした機能は現状、AI PCを導入したからといってすぐに実現するものではなく、ソフトウェア側の進化も必要だ。消費者側が考える理想との乖離(かいり)を回避するためにも、PCメーカー1社というより、PC業界全体でNPUを活用できる土壌を整えることが急務といえるだろう。
発表会では、新モデルとして「Dell Pro 13/14 Premium」「Dell Pro 14 Plus」の実機を見ることができた。
これら製品で特徴的なポイントが、マザーボードに取り付けられたUSB Type-Cポートが、はんだ付けではなくネジ止めによるモジュラー型になっているところだ。
はんだ付けしたポートに比べて、上下/左右の負荷体制が4倍に向上するという。万が一、ポートに接触不良などが生じた際もスピーディーに交換作業が行える他、マザーボードを丸ごと交換する必要がないため、環境にも優しい作りといえる。
こうしたモジュラー型による設計は、デルが以前から発表しているノートPCのモジュール設計コンセプト「コンセプト・ルナ」で得られた知見が製品に反映されたものだ。今回のモジュラー型USB Type-Cポートでポジティブな反応が得られた場合、今後もモジュラー型部品の採用が進むかもしれない。
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