デタッチャブル型2in1 PCの定番として定着した、日本マイクロソフトの「Surface Proシリーズ」。2024年6月に発売された個人向けの新モデル(第11世代)は、同社が「新しいAI PC」として推進する「Copilot+ PC」の初号機として登場した。
この最新モデルは、ボディーのデザインやサイズこそ同年4月にリリースされた先代(Surface Pro 10 for Business)と変わらないが、フレッシュなカラーバリエーションをそろえると共に内部構造を一新。システムの中核にはArmアーキテクチャベースのSoC「Qualcomm Snapdragon Xシリーズ」を採用し、Arm版Windows 11 Homeをプリインストールするという、アグレッシブに攻めた製品となっている。
直販サイトでは、ボディーカラーの他、画面や基本スペックの異なる複数の構成が用意されている。今回はSnapdragon X Eliteと有機ELディスプレイを搭載する上位構成の16GBメモリ/512GB SSDモデル(サファイア:直販価格29万5680円)を評価機として入手したので、レビューしていこう。
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Surface Proの最新モデル(第11世代)は、SoCにQualcommのSnapdragon Xシリーズを搭載し、Arm版Windows 11 Homeを搭載するアグレッシブな仕様となっている。今回は、別売の「Surface Pro フレックスキーボード(ペン収納付き/スリム ペン付き)」(直販価格8万80円)と一緒にレビューしたSurface Pro(第11世代)は、タブレットスタイルの本体にキックスタンドを搭載しており、単体で自立できる構造だ。別売のデタッチャブルキーボードと組み合わせて使うことで、タブレットスタイルはもちろん、ノートPCスタイルでも活用できる。
このスタイルは初代から変わらず、11世代目に当たる本製品も踏襲している。ボディーのサイズは約287(幅)×209(高さ)×9.3(厚さ)mmで、先々代(第9世代)や先代(第10世代)と共通だ(純正キーボード類も共用可能)。本体の重量は若干ながら増えて約895gとなっている。
カラーは4種類で、定番の「プラチナ」に加えて、「サファイア」「デューン」「ブラック」の4色で展開される(後から追加された5G対応構成はプラチナのみ)。評価機はサファイアモデルだが、上品に輝く淡いメタリックブルーが好印象だ。所有欲を刺激する見た目に仕上がっている。
本体のポート類は、左側面にUSB4(USB Type-C)端子×2を、右側面にSurface独自の「Surface Connect」端子を備えている。USB4端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。有線のイヤフォン/ヘッドフォン/ヘッドセットを使う場合は、別途USB Audio規格に準拠したオーディオアダプター類を用意する必要がある。
バッテリー容量については、「公称バッテリー容量」が53Whで、「最小バッテリー容量」が51Whという表記となっている。恐らく、出荷時の容量に一定の個体差があるため、このようにしているのだろう。公称のバッテリー駆動時間は、ローカルな動画再生で最長約14時間、アクティブなWeb使用時間が最長約10時間とされている。
付属のACアダプターはSurface Connect端子に接続するタイプだ。最大出力は39Wで、実測サイズは90(幅)×50(奥行き)×22(厚さ)mm、重量は220g(ケーブル込み)だ。
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