本題に戻ろう。先述した通り、資本的には2023年9月付でTP-LINKとTP-Linkは“無関係”となっている。製品情報を見ても、両社の製品には関係性は見受けられない。
実際のところはどうなのか、ティーピーリンクジャパンの広報担当者に聞いてみた(一部、体裁を整えている)。
―― TP-Link SystemsとTP-LINK Technologiesとの間に現在、資本関係はありますか。
ティーピーリンクジャパン ございません。
―― TP-Link Systemsの資本構成はどのようになっていますか。
ティーピーリンクジャパン 現在のTP-Link Systemsはジェフリー・チャオ氏とその妻が100%所有する米国企業です。
―― 2024年12月に発表したステートメントによると、両社は「提携していない」とのことだが、製品の開発や製造も完全に分離しているのでしょうか。
ティーピーリンクジャパン その通りです。
米国での報道にあった「ネットワーク機器の利用を禁止することの検討」は、TP-Linkが米国登記の企業であっても、本当に資本的な意味でTP-LINK(もっというと中国)から分離できているかどうか不明瞭なことが一因だと思われる。米商務省がTP-Linkに企業構造に関する詳細な情報の提出を求めているという報道もあるが(参考リンク)、企業情報を明瞭にしておけば、このようなことにはならなかったのではないかとも思う。
ともあれ、TP-Linkは本件に関する情報をもう少し詳しく説明してもいいと考える。そうすれば、ユーザーもより安心して同社製品を使えるようになるはずだ。
TP-Linkの企業情報を見ると、グローバル本社が米国企業のTP-Link Systemsだと強調されている。ただ、経営体制の説明が全くないため、本当の意味でTP-LINK(あるいは中国)の影響を受けていないのか、確かめる方法に乏しいことも事実だ
「TP-Link」は米国企業で、「TP-LINK」は中国企業――米TP-Linkが一部報道に対する声明を発表
TP-Link、Wi-Fi 6に対応したデュアルバンド無線LANルーター「Archer AX80V」
TP-Link、無線接続も利用可能なパン/チルト対応の屋外向けセキュリティカメラ
TP-Link、Wi-Fi 6Eに対応したトライバンド無線LANルーター
TP-Link、Wi-Fi 7接続に対応したデュアルバンド無線LANルーターCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.