5000万台の次は1億台! 意欲的なPCの累計生産台数目標を掲げた島根富士通で作られる「FMV note C」を見てきた(1/2 ページ)

» 2025年02月19日 15時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の子会社で、ノートPCやデスクトップPCの生産を担う島根富士通が同社の長期ビジョン「SFJ Next 30」を更新し、2050年に累計生産1億台突破を目指すなど挑戦的な内容を明らかにした。

富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 島根富士通の生産工場

2050年までに累計生産台数を1億台に 6000万台は今後3年で

 SFJ Next 30(島根富士通 Next 30)は2021年8月に初めて公開された長期ビジョンで、この2月13日に開催された累計生産台数5000万台の記念式典で、同社の神門明社長がより踏み込んだ指標を打ち出した格好だ。

 新たに明らかにされたのは、今後25年間で5000万台の生産を目指す目標を中心に、2030年度に基板実装工程の100%自動化/組み立て工程における65%の自動化や、製造コストは2分の1にするといった挑戦的な内容となる。

 同社は、1990年10月の操業から34年3カ月で累計生産台数5000万台に到達し、記念セレモニーを開催したばかりだ。また、神門社長は「5000万台の次となる6000万台については生産能力を増強(年間300万台)し、今後3年で達成したい」と展望を語った。

富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 新たなSFJ Next 30の内容を明らかにする島根富士通 代表取締役社長 神門明(ごうど あきら)氏
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 節目節目で作られた歴代記念モデル。右上が最新(5000万台記念)となる組子細工を天板に入れ込んだ「FMV note C」
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 こちらは八雲塗を液晶ディスプレイ天面に施した4000万台記念モデル(左)
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 SFJ Next30の概要。創業30周年を機に「変動力」と「逆境力」を新たな強みとして追加した
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 現在の生産ライン。プリント基板製造は10ライン/年間36億ショットの部品実装を行っている(左)。組み立てはノートPCが20ライン(デスクトップPCは3ライン)で、年間最大300万台を生産できる(中央)。物流の省力化では自動輸送車(AGV)が35台/9ルートで稼働している(右)
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 プリント基板製造ラインは、徹底した省人化を図り、現状の79%から2030年に100%まで引き上げることを目指す
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 組み立てラインでは人と機械の協調生産を旗印に、現状は24%の自動化率を2030年に65%とする目標を掲げた
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 自動フォークリフトなどを活用して、現状40%の自動化率を80%(2030年)まで高めるという
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 神門社長が掲げた3つのキーワード。完全自動化や省力化/効率化、人と機械の協調生産には欠かせないとした
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 これまでの目標と連動することになるKPI(Key Performance Indicator)。現状は人に頼っている部分にカメラを導入するなどして品質を高め(左)、ラインの自動化などで人員を減らして付加価値の高い作業に変換することでコスト削減を図り(中央)、これまで基板実装ラインのみだった自動倉庫を組み立てラインにも導入し、自動化率を高める(右)という
富士通クライアントコンピューティング FCCL 子会社 ノートPC デスクトップPC 島根富士通 工場 2050年に1億台の生産台数を目指すという。5000万台までは約34年かかかったが、25年で5000万台に到達する意欲的なものだ。現在、FCCLは海外市場から撤退しているが、神門社長は「(FCCLが)レノボグループに加わっている中で、グローバル展開を実現できないかを考えている」と話したが、詳細は現時点で不明だ
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