富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の子会社で、ノートPCやデスクトップPCの生産を担う島根富士通が同社の長期ビジョン「SFJ Next 30」を更新し、2050年に累計生産1億台突破を目指すなど挑戦的な内容を明らかにした。
SFJ Next 30(島根富士通 Next 30)は2021年8月に初めて公開された長期ビジョンで、この2月13日に開催された累計生産台数5000万台の記念式典で、同社の神門明社長がより踏み込んだ指標を打ち出した格好だ。
新たに明らかにされたのは、今後25年間で5000万台の生産を目指す目標を中心に、2030年度に基板実装工程の100%自動化/組み立て工程における65%の自動化や、製造コストは2分の1にするといった挑戦的な内容となる。
同社は、1990年10月の操業から34年3カ月で累計生産台数5000万台に到達し、記念セレモニーを開催したばかりだ。また、神門社長は「5000万台の次となる6000万台については生産能力を増強(年間300万台)し、今後3年で達成したい」と展望を語った。
現在の生産ライン。プリント基板製造は10ライン/年間36億ショットの部品実装を行っている(左)。組み立てはノートPCが20ライン(デスクトップPCは3ライン)で、年間最大300万台を生産できる(中央)。物流の省力化では自動輸送車(AGV)が35台/9ルートで稼働している(右)
これまでの目標と連動することになるKPI(Key Performance Indicator)。現状は人に頼っている部分にカメラを導入するなどして品質を高め(左)、ラインの自動化などで人員を減らして付加価値の高い作業に変換することでコスト削減を図り(中央)、これまで基板実装ラインのみだった自動倉庫を組み立てラインにも導入し、自動化率を高める(右)という
2050年に1億台の生産台数を目指すという。5000万台までは約34年かかかったが、25年で5000万台に到達する意欲的なものだ。現在、FCCLは海外市場から撤退しているが、神門社長は「(FCCLが)レノボグループに加わっている中で、グローバル展開を実現できないかを考えている」と話したが、詳細は現時点で不明だ
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