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PCの累計生産台数5000万台突破目前! 「島根富士通」が出雲にある理由(1/4 ページ)

» 2024年03月15日 18時30分 公開
[大河原克行,ITmedia]

 島根富士通はこのほど、2024年度第3四半期(2024年10〜12月)にもPCの累計生産台数が5000万台に到達する予定であることを明らかにした。それに合わせて、非売品の特別モデルを製作する計画も公表した。

 同社では、2019年5月にPCの累計生産が4000万台に到達した際にも、世界最軽量ノートPC「LIFEBOOK UH-X/C3」をベースに、島根県のふるさと伝統工芸品に指定されている「八雲塗(やくもぬり)」を天板に施した特別モデルを製作した経緯がある。

 2024年4月以降に、同社内に特別モデルを製作するためのワーキンググループを立ち上げ、新たな特別モデルの具体的な検討を開始することになる。

 今回、筆者はそんな同社を訪れ、地域貢献への取り組みを取材すると共に、現時点で分かっている「5000万台記念モデル」の概要も聞いた。

島根富士通 島根富士通
4000万台 2019年に製造された、累計生産4000万台記念モデル

島根富士通の概要

 島根富士通は、富士通ブランドでPC事業を行う富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の100%出資子会社だ。

 同社は1989年12月に島根県斐川町(現・出雲市)で誕生し、1990年10月から富士通初の“PC専門工場”として操業を開始した。初めに生産していたのは「FMRシリーズ」「FM TOWNSシリーズ」といったデスクトップPCだった。

 1995年以降はノートPCの生産に特化していたが、2011年からタブレットPCの生産も開始。2021年にはデスクトップPCの生産を再開した。現在、国内における富士通ブランドのPC生産は、島根富士通に一本化されている。

操業開始あいさつ 1990年11月に行われた「開設披露式」であいさつをする、富士通の山本卓眞会長(当時)

 累計生産台数の歴史を振り返ると、1994年8月に50万台に到達して以降、1995年8月には100万台、1997年8月には200万台、1998年11月には300万台、2000年7月には500万台をそれぞれ達成している。その後も2003年6月には累計1000万台、2008年2月には2000万台、2013年5月には3000万台を達成し、2019年5月に4000万台に到達した。

 仮に2024年度第3四半期に5000万台に到達できれば、4年半をかけて1000万台を上乗せした格好となる。

累計台数 島根富士通におけるPCの累計生産台数の推移

節目を飾る「特別モデル」は個性派ぞろい

 島根富士通では、累計生産台数において“節目”となった製品を、同社ショールーム内に展示している。展示している製品は、その時々のフラッグシップモデルに、金色を施してみたり、富士通のブランドカラーである赤色を採用したりと、特別仕様となっている。

 例えば2008年2月の「2000万台記念モデル」は、ビジネスモバイルノートPC「FMV-BIBLO LOOX R70Y」をベースに、天板にイタリアンレッドを採用すると共に、限定品を示す「LIMITED EDITION」を刻印した。本モデルは直販サイト「富士通 WEB MART」を通して222台限定で一般販売も行われた。222台は、「フジツー」の語呂合わせとなっている。

ショールーム 島根富士通のショールームには、累計生産台数の節目となる特別モデルが展示されている
50万台記念 1994年8月11日に累計50万台を達成したことを記念したモデル。当時は主にデスクトップPCを生産していたこともあってか、“金色”のデスクトップPCが選ばれた(編集注:当時、PC/AT互換機である「FMV」と独自アーキテクチャの「FMR」のデスクトップモデルはボディーデザインを共通化していた。この記念モデルはFDDが1基構成なので、FMVをベースにしていると思われる)
100万台 1995年8月25日に累計100万台を達成した際の記念モデルは、8.5型ノートPC「FMV BIBLO FMV-475NL/S」だった。CPUはIntel i486DX4 75MHzを搭載し、スティック型ポインティングデバイスを備えている(編集注:プリインストールOSはMS-DOS 6.2/VとWindows 3.1だったが、富士通向けのMS-DOS 6.2/VにはFMRやFM TOWNSをほうふつとさせる日本語フォントがプリセットされていた)
300万台 1998年11月18日に累計300万台を達成した際の記念モデルは、MMX Pentiumを搭載した12.1型ノート「FMV-BIBLO NEVIII 23」だった。なお、当時は液晶の輝度調整は“手動”で行うのが基本だった
500万台と1000万台 2007年7月19日には累計500万台、2003年6月6日には累計1000万台を達成した。1000万台記念モデル(右)については、50万台記念モデル以来となる金色塗装が施されている
2000万台 2000万台記念モデルは、FMV-BIBLO LOOX R70Yをベースに天板にイタリアンレッドの塗装を施している
2000万台 本モデルについては、限定222台で一般販売も行われた
3000万台 2013年5月9日に製造された3000万台記念モデル(FMVU90LB)。天板は一見すると緑色に見えるが、実は見る角度や照明の具合によって色が変わるマジョーラカラーと呼ばれる塗料を使っている。日本海の青と宍道湖の夕日の赤をイメージしており、見る角度によって2色に見えるという

 記念モデルの中でも、特にこだわりを持って製作されたのが「4000万号機」だ。

 先に触れたように、本機はLIFEBOOK UH-X/C3をベースとして天板に八雲塗を施している。デザインは「日本の夕日百選」に登録されている地元の宍道(しんじ)湖の夕日をモチーフとしている。

 八雲塗は、明治初期に中国の漆器をヒントに創案され、出雲の古歌「八雲立つ」から命名された。島根県ならではの伝統技法の1つだ。塗り重ねられた透漆(すきうるし)は、年月を経るごとに透明度を増し、文様が色鮮やかに浮かび上がるのが特徴だという。この天板塗装は、松江市の老舗に依頼したそうだ。

 このモデルは“1台”限定で、、現在も島根富士通のショールームに展示されている。関係者は「天板の八雲塗の色合いが、どう変化していくのかを、長年に渡って注視している」ところだ。

4000万台 2019年5月29日に製造された4000万台記念モデルは、天板に八雲塗を施している。デザインは宍道湖の夕日をモチーフとしている

 では、間もなく登場するであろう「5000万台記念モデル」はどのようになるのだろうか。

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