先ほど紹介したMeshCommanderから無事、MS-01のIntel AMT機能が利用できるようになった。試しに電源操作を試してみたが、MS-01の電源がオフのままでも電源操作が可能で、「System Status」ページの「Power Actions」から「Power up(電源オン)」を選択すると、実際にMS-01が起動した。
MS-01でUEFI設定画面を表示した状態にして「Remote Desktop」ページを開くと、遠隔でUEFI設定画面が表示され、実際にMeshCommander経由で遠隔操作できることを確認した。
今回MS-01をサーバ用として購入したので、キーボードやマウスを接続してMS-01の前で設定しなくても済むようになったのは非常にうれしい。
もちろんOS起動後も引き続き利用できるので、OS側のリモートデスクトップ機能を利用しなくても簡単に遠隔操作できる。
さすがに画質に関しては最低限なので、Windowsのリモートデスクトップと同じレベルの操作感は得られないが、メンテナンスやトラブルシューティングくらいであればそつなくこなせる。
Intel AMTのIPv4設定ではデフォルトゲートウェイも指定できるため、ルーター越えた環境からも遠隔操作できる。例えば、離れた拠点にMS-01を置いてIntel AMTを設定し、拠点間VPNを構築すれば、自宅から電源オフ状態からOSの再インストールまで実現できるようになる。
今回、大阪から埼玉に設置しているMS-01にMeshCommanderを使って接続してみたところ、接続確立までには少し時間がかかるものの、MS-01を遠隔操作できることを確認した。これなら、遠隔地に置いたサーバでトラブルが起きたとしても、現場に駆け付けること無く、安心して運用できる体制が整えられそうだ。
デフォルト設定では、MeshCommanderでリモートデスクトップ機能を利用すると、遠隔操作先であるMS-01側で「Remote Assistance Session」メッセージと共に、6桁のPINが表示される。
この6桁のPINコードをMeshCommanderで入力しなければリモートデスクトップ機能が利用できない。遠隔操作先のMS-01を操作している人が居れば特に問題ないのだが、無人で遠隔操作したい場合はこれでは困る。
その場合は、MeshCommanderの「System Status」ページ内の「User Consent」をクリックし、デフォルト値の「Always Required」から「Not Required」に変更することで、PINの入力無しに遠隔操作できるようになるので、必要に応じて設定しよう。
ここまでIntel AMTの便利さについて触れてきたが、デメリットも存在する。それは、Intel AMT自体がCPUやシステムボードと一体化している点だ。
冒頭で挙げたIPMIであれば、CPUやシステムボードが故障していたとしても、IPMIさえ生きていれば遠隔からトラブルシュートが可能なのだが、Intel AMTはCPUやシステムボード上にいわば同居している状態なので、CPUやシステムボードでハードウェアトラブルが発生すると遠隔操作できる術が無くなる。
そもそも、そこまで深刻なハードウェアトラブルが起きればどうしようもないものの、過信しすぎるのは良くないということだけは覚えておこう。
とはいえ、10G SFP+ポートを2つ、PCIe 4.0×16スロットを1つ、M.2 NVMeスロットを3つ備えた上で、さらにIntel AMTが利用できるサーバマシンとしてみると、MS-01は破格の安さだと感じる。
本記事では、各モデルの価格を定価で記載しているが、MINISFORUMでは頻繁にセールを開催しているので、気になった方はぜひ公式サイトを一度訪れてみるといいだろう。
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