では実際に使ってみよう。ポートは左側面に配置されている。USB Type-Cポートは2基あるが、機能的には変わらないので、接続にはどちらを使っても問題ない。
画面は発色もよく、斜め方向から見た時の色の変化もみられない。輝度が50%止まりの状態でも暗さを感じないなど、かなりの余裕がある。
そんな本製品の強みは、横置きに加えて縦置きにも対応することだ。背面のスタンドは縦と横どちらの方向でも使えることに加えて、ケーブルを接続するポートやOSDメニューの操作ボタンが左側面にまとめられているため、右側面を下にしての縦置きも問題なく行える。試した限り、縦置き時の安定性も十分だ。
一方でその代償として、スタンドの全長がかなりあり、設置時にかなりの奥行きが必要になるのは気をつけたい。特に横置き時は20cm程度の奥行きを見ておく必要があり、背後の壁にぴったりつけて配置するのは難しい。縦置き時の安定性も考慮しつつ長さを決定したのだろうが、伸縮できるギミックがあればよかったかもしれない。
本製品は、前述のようにパススルー充電にも対応している。実際に100Wの充電器を本製品に接続してみたところ、PCからは60Wの電源だと認識された。なお内蔵スピーカーは25W以上の充電器を接続した場合のみ有効となり、それ以下では常時ミュート状態になるので注意したい。
一方で、やや癖があるのがOSDメニューだ。本製品は設定の多くを専用ユーティリティー「LG Switch」を用いて行う仕組みになっており、ユーティリティーなしで本体だけでできるのは明るさ調整と音量調整のみとなる。これは以前紹介した16型モデルの16MR70と同様だ。
この2項目は、本体左側面にあるボタンを繰り返し押して設定画面を切り替えつつ、目的の画面が表示されている時に上下ボタンで選択するという仕組みで、一般的な階層構造とは異なる上に、実際にはこの2画面に加えて入力ソースを表示する画面も挟まるので少々分かりづらい。
また設定画面を表示させない状態で上下ボタンを押した場合、その直前まで表示していた設定画面に基づく操作が行える仕組みになっている。つまり最後に表示したのが明るさ調整の画面であれば次に上下ボタンを押した際も明るさ調整が、最後に表示したのが音量調整であれば次も音量調整が表示されるのだが、直前まで何を表示していたのか覚えているはずもなく、挙動が毎回変わるので分かりづらい。この点はマイナスだと感じた。
一方で専用ユーティリティー「LG Switch」は、画面分割など特殊な表示もサポートするなど高機能だ。モバイルディスプレイはなるべくユーティティーなしで使いたいという人は少なくないはずだが、置き方と連動して画面が回転するオートピボットなど、ユーティリティーを使わなければ実現できない機能も多く、試してみる価値はある。
ユーティリティーの「LG Switch」。普段は、画面右下にミニタイプバーが待機している(左)。下部のアイコンをタップすることで機能を切り替える。これは明るさやコントラストの他、画面回りの設定を行う画面だ(中央)。画面分割モードもここで設定できる(右)以上、一通り使ってみたがワンランク上のモバイルディスプレイという印象だ。実売価格は6万円台とやや値は張るが、サイズは一般的な15.6型よりも一回り大きい17型であり、さらに3年保証も付属している。ざっと使った限りでは、価格に見合った価値のある製品という印象だ。
一方でユーティリティーがWindows専用で、他のOS環境ではやや使いづらい面があるのは、既存モデルである16MR70と共通している。Windows PCと組み合わせて使う、高品質かつ高機能なモバイルディスプレイを探しているユーザーにお勧めできる製品だ。
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