Legion Pro 7i Gen 10(5080モデル)のスペックを一通りチェックしたので、ここからはベンチマークテストを通して実力をチェックしていく。
なお、特記のない限り、テストはACアダプターを接続した上で、パフォーマンス設定を「バランス」とした状態で行っている。
Maxonの3Dグラフィックスレンダリングテストツール「CINEBENCH R23」でのCPUパフォーマンスを計測した結果は以下の通りだ。
Core Ultra 9 275HXを搭載するノートPCとしては妥当なスコアだ。デスクトップPC向けCPUがベースとはいえ、ノートPCとしてはとても高いスコアを記録している。
より重い処理を行う「CINEBENCH 2024」では以下のようになった。
こちらも、同じCPUを搭載するノートPCとしては妥当といえる。ノートPCでもここまでスゴイのかと思うと、隔世の感はある。
ULのPC総合ベンチマークテスト「PCMark 10」の結果は以下の通りだ。
外部GPUの効果もあって、Digital Content Creationのスコアは高めだ。先述の通り、本製品のディスプレイはDCI-P3の色域を100%カバーしている。「プロゲーマー向け」とは言うものの、映像や3Dグラフィックスのクリエイターにもピッタリな1台といえるかもしれない。
ULの3Dグラフィックスのベンチマークテスト「3DMark」の主要なテストを「バランス」に加えて「パフォーマンス」モードでもテストを行った。結果は以下の通りだ。
バランスモードでもそこそこに高いスコアだが、パフォーマンスモードにするとテストによってはスコアが大きく伸びる。
実際のゲームはどうだろうか――ということで、重量級ゲームを代表してCD Project REDの「Cyberpunk 2077」の設定内ベンチマークテストを実行してみた。プリセットは一番負荷の重い「レイトレーシング:オーバーレイ」相当にした上で、フルHD(1920×1080ピクセル)とWQHD(2560×1440ピクセル)でテストした結果、平均フレームレートは以下の通りとなった。
やはりCyberpunk 2077はやはりヘビー級のタイトルなんだなと痛感するが、これがノートPCだと考えると十分な性能を備えていると思う。描画の様子を見守っていると、240Hz駆動の有機ディスプレイは効果てきめんで、DLSSがもたらす高フレームレートをしっかりと表示できている。
カプコンの「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークテストを2560×1600ピクセル解像度で平均フレームレートを求めたところ、以下の通りとなった。快適にプレイできるだろう。
本製品はかなりハイスペックな製品だ。バッテリー容量は80Whと大きめだが、結構早く消費されてしまう予感がする。
そこで、PCMark 10に内包されたBattery Profileテストから、Modern Officeシナリオを選択し、ディスプレイの輝度を100%とした上で満充電(100%)から残量6%(強制休止状態)に入るまでの時間を計測したところ、1時間23分となった。
輝度を上げた“いじわる”な状態だったことも相まって「まあ、こんなものか」という結果となった。今回は時間の都合で試しきれなかったが、「とにかくバッテリー駆動時間を重視したい!」という場合は、Legion SpaceでAdvanced Optimusの動作モードを「ハイブリッド iGPU専用モード」(外部GPUを使わないモード)にすれば結果は大きく伸びると思われる。
今回試したLegion Pro 7i Gen 10(5080モデル)は、同一構成のCTOモデルが約58万円だ。それだけに、現状考えられるノートPCとしてはかなり“強い”。プロゲーマーだけなく、色の正確性が重要なクリエイターにもお勧めできる1台だ。「パワフルなPCが欲しいけれど、置く場所がない」「3Dレンダリングや動画エンコードを高速に行える、持ち運べるPCが欲しい」という人にもピッタリだ。
ただし、概要でも紹介した通り、個人的にはキーボードの一部のキーに違和感を覚えてしまう。US配列だとこの違和感が大きく薄れるのだが、現時点ではCTOオプションにキーボードの配列は含まれていない。筆者が気にしすぎなだけなのだろうか……?
ともあれ、本製品はCore Ultra 9 275HXとGeForce RTX 5080 Laptop GPUのパワフルさを体感するにはベストな選択肢の1つだ。ぜひ、チェックしてみてほしい。
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