VK720ALで最大となる変更点は、ロープロファイルキースイッチの採用と、ボディーの薄型化だ。スタンド未使用時のキーボード全体の高さは約27mmと、VK720Aの約32mmからかなり低くなっている。
本体重量も約651g(ケーブル除く)と、前モデル約785gから17%ほど軽量化している。実際、手に取ってみるとこの重さの違いは明らかだ。キートップとトッププレートの隙間が少なく、かばんに入れても他の荷物と干渉しにくい点も普段の持ち運びに便利に感じる。
一方で、底面には大型のラバー足が配置されており、キータイプ中にボディーがズレるようなこともなかった。軽量化による安定性の低下はないと言ってよさそうだ。
ビルドクオリティーも過去製品と同じく高い。ボディーの上面フレームに採用されているマットなアルミニウム素材は、剛性と共に見た目の質感にも大きく寄与している。
キートップが浮いているように見えるフローティングデザインのため、特にホワイトモデルではキー下のRGB LEDから漏れる光がトッププレートに反射してサイバー感のあるイルミネーションが美しく映える。
キートップはPBT樹脂製の二色成形(ダブルインジェクション)キーキャップを採用しており、光がきれいに透過するだけでなく、長期間使用しても印字が摩耗/消失しにくい。
VK720Aのネオクラッチキーキャップは、VK720ALでも引き続き採用されている。ロープロファイルキースイッチのため、キートップの窪みはVK720Aに比べると控えめだが、しっかりと指先をホールドしてくれた。ゲームでの左手親指操作を想定したZ〜Mキーの左右非対称な彫り込みも操作性の向上に効果が出ている。
VK720Aの大きな特徴である交換式スペースバー機構は、VK720ALでも採用されている。出荷時に装着されているスペースバーは短めの「ショートスペースバー」(通常キーの4.2個分程度)だが、JIS配列モデルならスペースバー左横の無変換キー、US配列ではカスタマイズキーを省略し、スペースバーを延長する付属の「ロングスペースバーユニット」(通常キー5.2個分相当)に交換すれば左手寄りまでスペースキーを広く取れる。
スペースバーを長く使いたいユーザーや、無変換キーを使わないユーザーにはうれしいギミックだ。
右上には、引き続きプログラマブルダイヤルが搭載されている。サイズはVK720Aと同等ながら、他のキーがロープロファイルになったために指が届きやすくなった印象だ。
回転(正・逆方向)および押し込みの3つの操作に、それぞれ機能を割り当て可能で、出荷時は「音量アップ/ダウン+ミュート」に設定されている。
ダイヤルの上部にはインジケーターLEDが3つ並んでおり、左からCapsLock、ScrollLock、ゲーミングモードのオン/オフ状態を表示する。
ボディー底面には折りたたみ式のチルトスタンドが内蔵されている。VK720A同様、2段階(6/9度)の傾斜角に対応し、スタンドを使用しないフラット状態とあわせて3通りの角度でタイピングポジションが調整できる。
好みにもよるが、ロープロファイルのVK720ALではVK720Aよりも浅めの傾斜の方が打ちやすいように感じた。そういった観点からも、3通りの傾斜角度が選べるのはありがたい。
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