6月10日発売の「12インチSurface Pro」「13インチSurface Laptop」は従来モデルと何が違う? 決定的な違いとCopilot+ PC普及に向けたこだわり(1/2 ページ)

» 2025年06月05日 21時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 日本マイクロソフトは6月10日、新型Copilot+ PC「12インチSurface Pro」「13インチSurface Laptop」の個人向けモデルを発売する。Microsoft Store(直販サイト)における最小構成の販売価格は、12インチSurface Proが14万9380円(キーボード/ペン別売)、13インチSurface Laptopが16万4780円となる。

 同社が6月3日に開催した報道関係者/インフルエンサー向け内覧会で、両モデルの実機が展示されていた。写真を交えつつ、特徴を紹介したい。

Copilot+ PC 6月3日に開催された報道関係者/インフルエンサー向け内覧会では、主要なPCメーカーのCopilot+ PCが一堂に会した。Copilot+ PCで「できること」に焦点を当てたイベントで、主なデモンストレーションにはSurfaceが使われていた
12インチSurface Pro 12インチSurface Pro(キーボードは別売)
13インチSurface Laptop 13インチSurface Laptop(マウスは別売)

Copilot+ PCをより広いユーザーに

 12インチSurface Proと13インチSurface Laptopは、AI(人工知能)を活用した機能を強化したCopilot+ PCの一層の普及を狙って登場する戦略モデルだ。名前に世代が含まれていないことからも分かる通り、いずれも“初代”という扱いとなる。

 SoCをエントリークラスの「Snapdragon X Plus 8-core」にしたり、画面のサイズと解像度を抑えたりと、価格を手頃にする工夫を凝らしている。ただ、特に若年層(いわゆる「Z世代」)は、単に価格が安いだけでは手に取らない。

 そこで、両製品はパッケージやボディーのカラーにも気を配っている。カラーは定番の「プラチナ(Platinum)」の他、海の色をイメージした「オーシャングリーン(Ocean)」と、新色の「バイオレット(Violet)」を用意している。いずれも淡い色合いで、若年層を意識して設定したという。

 余談だが、オーシャングリーンに「グリーン」が付いているのは日本だけだという。「単に『オーシャン』というと欧米では緑(グリーン)を想起するが、日本では青(ブルー)のイメージが強い。オーシャンというだけでは正しい色を想起できない」という理由からカラー名にグリーンを追加したそうだ。

Surface Pro 12インチSurface Proは「キックスタンド付きのタブレット」というスタイルを保っている
パッケージ パッケージは本体と同色で、パッケージを見ただけで買いたくなってしまう
13インチSurface Laptop 13インチSurface Laptopも、パッケージとボディーのカラーは12インチSurface Proと同じ3種類を取りそろえている

ついに省かれたSurfaceの象徴「Surface Connect」

 両モデルの本体のポート類は以下の通りとなっている。

  • 12インチSurface Pro
    • 左側面:なし
    • 右側面:USB 3.2 Gen 2(10Gbps)端子×2(電源入力/映像出力兼用)
  • 13インチSurface Laptop
    • 左側面:USB 3.2 Gen 1(5Gbps) Standard-A端子、ヘッドフォンジャック
    • 右側面:USB 3.2 Gen 2(10Gbps) Type-C端子×2(電源入力/映像出力兼用)

 他のサイズのSurface Pro/Surface Laptopと比べると、USB4(Thunderbolt 4)端子を備えないのは分かりやすい差別化要素だ。ターゲットとなるユーザー層を考えると、あえて対応する必要がないという判断だろう。

 ただし、Microsoft自身が定めた互換性要件のアップデートもあって、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子はいずれもUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力には対応している。「超高速なストレージを接続する」「超高解像度なディスプレイを接続する」といったことをしない限りは、これで必要十分だろう。

12インチSurface Pro 12インチSurface Proのポート類は、右側面に集中している。アナログ音声出力は備えないため、有線の音声機器をつなぐ場合は、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子を介して接続する必要がある
13インチSurface Laptop 13インチSurface Laptopには、USB 3.2 Gen 1 Standard-A端子とヘッドフォンジャックも備えている

 ……と、長年Surfaceを使っている人は、両モデルにSurfaceシリーズ固有の「Surface Connect端子」がないことに気付いたかもしれない。

 担当者によると、「USB Type-C端子で電源入力や映像出力もできるようになり、当社の純正オプションでもUSB Type-CThunderbolt 4に対応するドックを用意した」こともあり、Surface Connect端子の利用者は減少傾向にあったという。そのため、両モデルでは“思い切って”省くことにしたそうだ。理由を考えると、今後の新モデルではSurface Connect端子がないのが“当たり前”になる可能性もある。

 なお、12インチSurface ProについてはACアダプターも別売としている。ACアダプターを付属しないのも、Surfaceシリーズとしては初めての試みだが「Surface ProのようなタブレットタイプのSurfaceを購入されるお客さまは、スマートフォン用を含めて何らかのUSB PD電源アダプターを持っていることが多い」ということでオプション扱いとしたそうだ(※1)。なお、充電ケーブルは付属する。

(※1)一部の国/地域では「13インチSurface Pro(第11世代)」でもACアダプターを原則として付属しない(特定構成にのみ付属)

省かれた端子 今までのSurfaceシリーズにあった「Surface Connect端子」(画像)は、今回の新モデルでは省かれている
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