Microsoftは5月30日(米国太平洋夏時間)、Windows 11をプリインストールするデバイスにおける「WHCP(Windowsハードウェア互換性プログラム)」の内容をアップデートすることを明らかにした。今後、USB 3.2 Gen 1(USB 5Gbps)以降の規格に準拠するUSB Type-C端子をノートPCとタブレット端末に搭載する場合は、USB PD(Power Delivery)による電源入力機能と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力機能の実装を必須化するという。
本件はMicrosoftの開発者向けブログの1つ「Microsoft USB Blog」のエントリー「Ending USB-C Port Confusion(USB-Cポートの混乱に終止符を)」というエントリーで告知されたUSB Type-C端子はUSBの通信規格(バージョン)を問わず同一形状で、「Alternate Mode」という仕組みを使うことでUSB規格以外の信号(アナログ音声/DisplayPort/HDMI/PCI Expressなど)を流すこともできる。そのため、USB Type-C端子を見ただけでは、どのような規格/通信に対応しているのか分かりづらいという問題がある。
この問題は、USB規格の策定/管理/認定を行う団体「USB Implementers Forum(USB-IF)」も認識している。USB 3.2 Gen 1以降の規格における「最大通信速度」での呼称(アイコン表示)や、USB PDの給電能力を示すアイコンは、USB回りの規格を分かりやすくするための取り組みでもある。
少しずつではあるが、これらの呼称やアイコンは浸透しつつある。しかし、これらをもってしても、Alternate Modeの有無や、ある場合に使える機能がパッと見で分からないという問題は続いている。
「USB Type-C端子の機能が分からない問題」をもっと根本的に解決する――その手段の1つとして、MicrosoftはWHCPを改訂し、Windows 11をプリインストールするノートPC/タブレットのUSB 3.2 Gen 1以降のUSB Type-C端子において「USB PDによる電源入力」と「DisplayPort Alternate Modeによる映像出力」の実装を必須化することにしたようだ。
USB Type-C端子が2つ並んでいたとして、パッと見だけで「どのような通信規格に対応しているか」「USB PDに対応しているか」「Alternate Modeに対応しているか」が分かるとしたら相当にすごい技能だと思われる冒頭で触れた通り、WHCPで必須化されるのは、Windows 11をプリインストールするノートPC/タブレットに実装するUSB 3.2 Gen 1以降のUSB Type-C端子への「USB PDによる電源入力」と「DisplayPort Alternate Modeによる映像出力」の実装だ。当該の端子を複数搭載している場合は、全ての端子で両機能を実装する必要がある。
ただし、搭載するUSB Type-C端子のバージョン(リビジョン)によって、以下の通り必須要件が少し異なる。
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