それからしばらくして、IT屋からなぜかケータイ屋になっていた筆者ですが、携帯電話販売員時代には携帯電話以外、データ通信カードの販売をメインに担当している時期もありました。
データ通信カードにまつわる話として、特に印象深いのは「Netbookと呼ばれるPCとのセット販売」ではないでしょうか。
実売4〜5万円、10型台のコンパクトなノートPCが、データ通信カードを契約すると1円や100円になる──タダも同然で購入できるキャンペーンで、購入した読者の方も多いと思います。
このキャンペーンは「1円PC」とも呼ばれ、筆者がデータ通信カードを担当していた時期はまさに1円PCの全盛期。秋葉原の某家電量販店の店頭で、多い日は数百台のデータ通信カードとNetbook PCの販売を行っていました。
このネットブックPCですが、とにかく新商品の登場が早く、毎週のように新製品を売場に並べ、旧製品との入れ替えが行われていました。
当時、まだ一般にはなじみの薄かったASUS(ASUSTeK Computer)やAcer、Lenovoといった海外メーカーの製品も多く、国内外問わず多くのメーカーがネットブックPCを市場に投入したことで、ある日出勤すると知らない製品が売場の一角に並んでいることも珍しくなかったのです。
こうした新製品について、店舗でも余裕があれば勉強会が実施されたり新製品情報が事前に共有されたりするのですが、当時はそんな余裕もありませんでした。
そのため通勤時間や休憩時間に、自分で新製品の情報を収集する必要がありました。その際の情報源の1つが、ITmedia PC USERのニュースやレビュー、開発者インタビューでした。
余談ですが当時、通勤時間にこうした情報収集のために持ち歩いていたのは「VAIO type P(VAIOオーナーメイドモデル)」、データ通信カードは「EMOBILE D23HW」でした。
PC USERの30周年を振り返ってとのことでしたが、振り返ってみると筆者自身、PC USERの読者としてニュースやレビューを買い物の参考にしていたのだと、改めて感じた次第です。
書き手となった今、これまでも、そしてこれからも、誰かの「買いたい」「知りたい」を満たせる原稿を執筆できるよう頑張ります。と、思わぬところで所信表明になってしまいました。あらためてPC USER、30周年おめでとうございます。
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