このように、本製品は複数の表示モードをサポートしており、用途に応じてケースバイケースで使い分けられる。切り替えもOSDメニューから簡単に行えるなど、操作性も悪くないのだが、実は2画面を連結させて使う「接続表示」に大きく影響を与える、ハードウェア面でのマイナスがある。それは上画面の下部ベゼル幅が広いことだ。
本製品のような2画面のモバイルディスプレイだけでなく、2画面タイプのスマホにも言えることだが、継ぎ目をなるべく目立たせなくするには、2つの画面をつなぐヒンジに近い側のベゼルは狭ければ狭いほどよい。そのため、2枚のパネルを配置するにあたり、ベゼル幅が狭い側が向かい合わせになるよう、部材の向きを決めるのが設計上のセオリーだ。
しかし本製品は、最も厚みのあるベゼルが、ヒンジに近い側に配置されてしまっており、画面と画面の間にある継ぎ目の幅は、他社製品の1.5〜2倍にあたる、37mmにも及んでいる。上下の画面を連結して1つの画面として使う場合、これだけの幅を意識せずに使うのは、正直なところ不可能だ。特に上下画面をまたいでのWebページのスクロールなどは違和感が顕著になる。
正面から見たところ。各画面上下のベゼル幅(ボディーを含む)は、A=6mm、B=22.5mm、C=18mm、D=15.5mmとなる。ベゼル幅が最もスリムであるべきBとCに厚みがあるという、もったいない設計になっている過去に本稿で紹介した2画面ディスプレイは5製品あるが、ベゼルの狭い側がヒンジに近い側に配置される設計になっているか、ベゼル幅が均等ゆえこうした問題が存在しないかのいずれかで、本製品のような製品は珍しい。
なぜこのような設計になったのかは不明だが、2画面を連結して1つの画面として使う頻度が高いことがあらかじめ分かっているならば、最初から本製品ではなく他社の同等製品を選んだ方がよいだろう。
OSDメニューについても見ていこう。メニュー表示は物理ボタンで行い、呼び出した後はタッチで操作するのは、前回までに紹介した同社のタッチ対応モデルと同様だ。ただし本製品は2画面モデルゆえ、このOSDメニューは上下それぞれの画面について用意されており、操作のための物理ボタンも2組ある。
逆に言うと、上下の画面を同期して設定を変更することはできないので、例えば明るさを調整する場合は、上の画面と下の画面、それぞれをバラバラに行わなくてはならない。このあたりは少々手間のかかるところだ。
なお、この上下のOSDメニューは、ほとんどの項目が同一だが、前述の4つの表示モードを選ぶメニューやオンスクリーンキーボード(後述)は下画面にしか存在せず、ちょくちょく違いは見られる。画面回転など上にしかない項目もあるのだが、あくまでほんの一部なので、何らかの項目を探す場合、下の画面を優先的に探すのがよさそうだ。
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