プリンストン「PTF-M156DS」は、15.6型の画面を上下に2つ連結した、折りたたみ式のモバイルディスプレイだ。複数の表示モードを備え、利用環境に応じて異なる表示方法を選べるのが特徴だ。
同様のギミックを備えたモバイルディスプレイは、既にサンコーやアイティプロテックからも発売されているが、本製品はそれらと比べてどのような違いがあるのだろうか。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは15.6型×2で、1画面あたりの解像度は1920×1080ピクセル、アスペクト比は16:9だ。ノングレア加工のIPS液晶を採用しており、タッチ操作には対応しない。
視野角は水平/垂直共に170度で、コントラスト比は1000:1、最大輝度は250ニト、応答速度は25msとなっている。画面が2つあるのが目を引くものの、ディスプレイとしての仕様自体はおおむね一般的で、際立った特徴はない。
本体は2つ折りが可能で、背面に搭載した折りたたみ式のスタンドを用いて直立させる。このスタンドは本体と一体化しているが、角度に制限があった他社同等製品と違って、完全に180度開くのが特徴だ。
そのため、設置にあたっての自由度は高いが、とはいえ仕様上はあくまで「0〜90度」なので、あまり極端な角度で立てるのはお勧めしない。基本的には完全な直立状態から若干手前に曲げた、他社製品と同様のスタイルで使うのが妥当だろう。
なおこのスタンドは、完全に閉じるとポートやボタンを完全に覆ってしまう構造になっている。それゆえケーブルを挿した状態でスタンドを閉じることはできず、本製品を山折りにして立てる場合も、スタンドはわずかに広げておかなくてはならない。このあたり、若干ちぐはぐな印象はある。
ちなみに、本製品のフォルムやヒンジ部の構造は以前紹介した他社同等製品とよく似ているが、スタンドの取り付け位置が違ったり、背面に厚みがあったりと、デザインは異なっている。OEM元は同じながら、外見は別のリファレンスを使った製品である可能性が高そうだ。
接続方法はHDMIおよびUSB Type-Cとなる。さらにイヤフォンジャックに加え、スピーカーも内蔵するなど、音声出力関連は充実している。背面には75mmのVESAマウント穴も用意されており、ディスプレイアームなどへの取り付けも容易だ。
重量は公称値で約1.4kg、実測で1.455kgだった。以前紹介した他社同等製品は、サンコー製品が1.83kg、アイティプロテック製品が1.689kgだったので、本製品はかなり軽い。背面下部に厚みがあることを考えると、逆に重くなっていても不思議ではなく、この軽さは意外だ。200g以上も軽いのは、持ち歩くにあたってのアドバンテージになる。
付属品は2種類のケーブルとUSB Type-C仕様の直結型ACアダプター、さらにクリーニングクロスとなる。持ち運び用の保護ケース類は付属しないが、これは他社同等製品とも同じだ。折りたたんだ状態のボディーサイズは約355(幅)×217(奥行き)×22(厚さ)mmと、一般的な15.6型のノートPCそのものなので、必要な場合はそれら向けの保護ケースを調達すればよいだろう。
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