アイティプロテックの「LCD8HC-IPS」は、8.9型と小ぶりなモバイルディスプレイだ。小型タブレットと同等のサイズで、持ち歩いての利用に適した製品となる。
同社は7型、さらには11.6型というコンパクトなモバイルディスプレイを既にラインアップに加えており、今回のモデルはその中間を埋める存在となる。どのような特徴を持つ製品なのか、メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは8.9型、解像度は2560×1600ピクセルとかなり高い。パネルはIPS液晶で、グレア調ゆえ画面への映り込みはそこそこある。リフレッシュレートは60Hz、輝度は300ニト、コントラスト比は1000:1、視野角は160度となっている。タッチ操作には対応しない。
外観は、まさしく小型タブレットそのものだ。背面にVESAマウント穴があったり、また正面のベゼルと画面の間に段差があったりと、タブレットらしからぬ特徴があることで、ようやくモバイルディスプレイだと気付くくらいだ。ちなみにこれらボディーの意匠は、以前紹介した同社の11型「LCD11HCR-IPS」に非常に似ている。
接続方式はHDMIとUSB Type-Cという、昨今のモバイルディスプレイではおなじみの2方式に対応している。またイヤフォンジャックを搭載していたり、スピーカーも内蔵していたりするなど、音声出力系の機能は比較的充実している。
本体を立てるスタンドは画面の保護カバーを兼ねるタイプだが、ボディーに直接取り付けるのではなく、ボディーを保護するTPU素材のケースの上からマグネットで吸着させる仕組みになっている。このカバーは巻き取る方向によって横向きはもちろん、縦置きでもスタンドとして利用できる優れものだ。
ただし折りたたみ方は複雑な上、メーカーサイトや取り扱い説明書でも詳しい説明がない。以下の写真での組み立て方は、筆者がカバーの折り目などから推測したもので、この組み立て方が正解かどうかは不明だ。おそらく購入したユーザーも戸惑うと思われるので、メーカーには詳しい情報の提供を望みたい。
重量は公称値で約260g、実測で262gだった。ほぼ同等サイズのiPad miniが公称値で約293gなので、本製品の方がわずかに軽い。タブレットと違ってバッテリーを内蔵しない点を考慮すると、おおむね順当な重さといっていいだろう。
付属品は2種類のケーブルに加え、USB Type-C接続の充電器が入っている。以前の11.6型モデルのようなデスクトップ用スタンドは付属せず、スタンドと呼べる付属品は前述した縦横両対応のカバー兼用スタンドのみだ。
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