合体ロボットものや戦隊ものにハマった人なら、合体や変形をするメカにワクワクしない人はいないだろう。もちろん筆者もその一人だ。合体/変形するロボットが活躍するアニメを見て育ち、後にハマったPCや携帯電話などのガジェットも、やはり合体や変形するデバイスにときめいてしまう。
また、合体や変形をしなくても、小さいのに高性能なデバイスも大好きだ。モバイル機器やノートPCも、予算が許す限りは性能を盛って購入するようにしているし、外付けのGPUボックスと組み合わせて、どうにかデスクトップPCの代わりにならないか、という妄想だけは毎日欠かさず行っている。
そんな筆者の琴線に触れそうなPCが、中国Khadasのモジュール型ミニPC「Mind 2s」だ。超小型のPC本体には専用の端子があり、さまざまな専用モジュールを取り付けることで機能を拡張できるという、まさに筆者がときめいてしまいそうな合体メカだ。
こんな面白いデバイスを試す機会はなかなかない。二つ返事で依頼を承諾し、今回はPC本体の「Mind 2s」(24万9999円)と、拡張モジュール「Mind Dock」(2万5900円)、「Mind Graphics」(14万5900円〜)を試してみた。
KhadasのMind 2sは、ポータブルHDDサイズのミニPCだ。実際にスマートフォン(Google Pixel 9a)と比べてみたが、きっとその小ささが伝わるはずだ。
本体サイズは約146(幅)×105(奥行き)×20(高さ)mm、重さは約435gという超小型のボディーには、ハイエンドノートPC向けの「Core Ultra 7 255H」が搭載されている。動作クロックは最大5.1GHz、高性能のPコアが6コア、高効率のEコアが8コア、さらに消費電力の低いLP Eコアを2基、合計で16コアと、このボディーに入っていることが信じられないほどの高性能なCPUだ。
そしてメインメモリはLPDDR5X-8400の64GB、ストレージにはPCI Express 4.0対応のM.2 SSD(容量は2TB)が搭載されている。
モジュールを接続していない状態でもWindows PCとして使える。Mind 2s本体の背面にはHDMI出力、Thunderbolt 4、USB4、そしてUSB 3.2 Gen 2をサポートするUSB Standard-Aの各端子が2基ある。
そして他のミニPCにはない特徴として、Mind 2sにはバッテリーが搭載されている。容量は5.55Whと小さく、バッテリー稼働ではなく「作業を中断、スリープ状態にし、Mind 2sを違う場所に持って移動する」「移動した先に設置してある、モジュールに接続して作業を再開する」といった使い方が想定されている。
このモジュールというのが、冒頭に挙げた「Mind Dock」や「Mind Graphics」を指す。それぞれに映像出力やUSBポートを備えているので、職場と自宅、リビングと自室など、それぞれに設置したモジュールに、ディスプレイやマウス、キーボードなどをつないでおけば、いつもの使い慣れたPC環境を本体だけを持ち運んで構築、直前まで行っていた作業を即座に再開できるというのが、Mind 2sの一番の強みだ。
そしてモジュールとの接続だが、これはMind 2sの底面に設けられたコネクターを利用する。ケーブルレスで接続できるため見た目がキレイなだけでなく、このコネクターはPCI Express 5.0(x8)接続なので、Mind Graphicsのようなデスクトップ向けGPUとの接続でも性能のロスが少なく、Dockなどに接続した外付けストレージとのデータのやりとりも高速に行うことが可能になっている。
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