では実際に使ってみよう。接続方式はUSB Type-C/HDMI/VGAのいずれかで、VGA接続では前述のように付属の専用ケーブルを用いる。特殊な仕組みだが、VGA接続をサポートするモバイルディスプレイは数少ないだけに、本製品の1つの売りとなっている。
これらのケーブルは本体側面ではなく、背面の隆起した部分の側面に差し込まれるため、左右に置いたPCやプライマリーディスプレイと干渉しづらいのは利点だ。ケーブルはやや固く、取り回しは決してよくないので、気になる場合は自前で調達したケーブルと交換してもよいだろう。
そんな本製品で考えられる使い方としては、SNSのタイムライン表示、画像や動画編集ソフトのパレットなどをまとめておく用途が挙げられる。本製品はスリムサイズとはいえ、短辺側の幅はスマホの2倍近くあるので、表示できる情報量はかなりのものだ。幅広い用途に活用できるだろう。ただし、既存の14型モデルがサポートしていた2画面表示(PIPおよびPBP)機能は省かれている。
実際に表示して驚くのは解像度の高さだ。本製品は横方向が2500ピクセルと、一般的なタブレットと比べてもかなり高精細だ。縦方向も900ピクセルと十分で、低解像度であることが多い安価なバータイプの製品とは一線を画している。
ちなみに、視野角もスペック上はあまり高くないが、実際に目で見る限りではそれほど気にならない。
一方で使っていて気になるのは、画面がグレア調であることだ。本製品のように隙間に設置するディスプレイは、プライマリー側のディスプレイに応じて向きを決めることになるため、単体で向きを変えたくても変えられない場合があり、画面に蛍光灯などが反射していても角度を変えて回避するのが難しい。設置した結果、映り込みが激しく、やむなく全く別の置き方を試さざるを得なかったということはあるかもしれない。
ところで本製品でややクセがあるのが、デスクトップ用スタンドだ。フットプリントが広いことから安定感は抜群なのだが、本体幅がディスプレイの短辺よりも広いので、縦置きでの設置時にPCやプライマリーディスプレイにぴったり沿って置くことができず、必ず左右の隙間が空いてしまう。ちなみにスタンドの横幅は実測で175mmと、かなりのサイズなのが分かる。
加えて高さ調節に対応しないため、プライマリーディスプレイと上下の高さをそろえようと思っても、スタンド側で調節できないのもネックだ。標準添付されているこのスタンドおよびクイックスタンドで折り合いがつかなければ、VESAマウントに取り付ける別のスタンドを調達することも視野に入れた方がよいだろう。
OSDメニューについても見ていこう。OSDメニューの操作は背面にある3つのボタンで行う。専用の「戻る」ボタンは用意されていないが、メニュー表示/決定ボタンの長押しに割り当てられているため、操作性は悪くない。
メニューを表示しない状態で上ボタンを押すと明るさ調整のメニューが、下ボタンを押すと音量調整のメニューが表示されるといった具合に、ショートカットもきちんと用意されている。全体的に、操作性は良好な部類に入るといっていいだろう。OSDメニューのデザイン自体は、同社の従来のバータイプの製品と共通だ。
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