近年の360度カメラは自撮り棒に装着していても、撮影した映像の中で自撮り棒が見えないように前後レンズ/カメラの映像をスティッチ(合成)してくれます。AKASO 360も同様に、メーカー純正の「120cm見えない自撮り棒」や、Insta360の「見えない自撮り棒+三脚」の存在を消してくれます。
肝心の撮影クオリティーをご覧ください。上記の自撮り棒をつけ、片手で持った状態で撮影してみました。さらに縦画面でリフレームして出力しています
映像、カメラ本体はゆらゆらと動いているのに動画には安定感がありますよね。ブレ補正はかなり強力といえます。
細部まで見ていくと、白飛びや黒つぶれが多めです。現行の高価格帯モデルと比較すると、どうしてもダイナミックレンジが狭いと感じてしまいます。太陽光の影響を受けているのか、白く飽和しているシーンもあります。
ところがスマートフォンで再生するとあまり気になりません。「面白い映像が撮れるカメラだ」という感覚の方が強いです。リフレーム時に広めの画角となるように設定すれば、輪郭が十分すぎるほどシャープだとも感じてきます。
全天球映像となる、360度動画も見てみましょう。ズームアップするとぼやけた映像のように感じてきますが、これは他の360度カメラも似たところがあります。シーン全体が見えるくらいの画角にすれば、クッキリとシャープな映像になり満足度がアップしますよ。
1/2インチセンサーで撮影する夜景は……期待してはいけないものですが、実際に撮影してきました。写真であっても狭いダイナミックレンジと大量のノイズから、10年以上前のデジカメ画像のように感じてしまいますね。
公式サイトを見ても暗いシーンの作例が1つもないので、AKASO 360は日中に使うカメラという位置付けとなっているのでしょう。
こういったときは、写真/動画素材として捉えましょう。公式アプリを使ってフィルターやカラー調整をかけまくり、ビンテージな雰囲気を高める方向でレタッチしてしまいましょう。360度カメラの画角で撮れる当時物のコンデジは存在しなかったので、独特の味わいがある作品が作れますよ。
8K/30fpsで撮影できる360度カメラ「QooCam 3 Ultra」の強みと弱点 GoPro MAXみたいな箱型ボディー
1年で大幅進化した「Insta360 X5」先行レビュー センサー大型化と新映像エンジンの実力を“X4”と比較した
「Insta360 GO Ultra」はウェアラブルから本格撮影まで、 一台で何役もこなせる可能性を秘めている 実機レビュー
扱いやすい機能を凝縮したハイコスパなスマホジンバル「Insta360 Flow 2」 Proとの違いは?
Apple DockKit対応ジンバル「Insta360 Flow 2 Pro」は、多くの改善ポイントを重ねて使いやすくなったCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.