Appleは9月10日(日本時間)、完全ワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro 3」を発表した。前世代比で2倍のアクティブノイズキャンセリング(ANC)性能を実現し、ワークアウト時の心拍数測定機能を初めて搭載した。Apple Storeでの価格は3万9800円(税込)。9月19日に発売する。
AirPods Pro 3の最大の進化は、ANC性能の大幅な向上だ。新開発のマルチポートの音響アーキテクチャを搭載する。これはイヤフォン内部に複数の音響ポート(開口部)を配置し、耳に音を届ける空気の流れを精密に制御する技術だ。従来の単一経路とは異なり、周波数帯域ごとに最適化された複数の音の通り道を設けることで、音質向上とノイズ除去を両立させた。これに極めて雑音の少ないマイクとデジタル信号処理技術、フォーム材が入った新しいイヤーチップを組み合わせることで、前世代のAirPods Pro 2と比較して2倍、第1世代AirPods Proからは4倍の雑音除去性能を達成した。
Apple Fitness+ユーザーは、心拍数、消費カロリー、ムーブリングの進捗、カロリー消費バーなどのリアルタイムパフォーマンス指標を画面上で直接確認できるようになった。サードパーティー製のジムトレーニングアプリでもAPIを通じて心拍数データを表示できる。Apple Intelligenceを活用した「Workout Buddy」では、ワークアウトデータとフィットネス履歴を基にパーソナライズされた洞察を生成する。
新機能「ライブ翻訳」は、Apple Intelligenceを活用した対面翻訳機能だ(ベータ版)。英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語に対応し、年内に日本語、イタリア語、韓国語、中国語(簡体字)が追加される。相手が外国語で話しかけた内容をリアルタイムで翻訳し、iPhoneの画面に自分の発言を相手の言語で表示することもできる。
物理的な改良も施された。1万件以上の耳のスキャンと10万時間以上のユーザー調査を基に内部アーキテクチャを再設計。イヤーチップは新たにXXSサイズを加えた5サイズ展開となり、より多くの人にフィットする。
防水防塵(じん)性能はIP57に向上し、激しいワークアウトや予測不可能な天気にも対応する。
バッテリー駆動時間も延長された。ANC有効時で最大8時間(前世代比33%向上)、外部音取り込みモードでは最大10時間(同67%向上)の連続再生が可能だ。充電ケースと合わせて最大24時間の再生に対応し、5分の充電で約1時間使える急速充電にも対応する。
聴覚補助機能では、レストランなどの騒がしい環境で「会話を強調」機能が自動的に有効になるようになった。背景ノイズを低減しながら音声を増幅する。
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