ARグラスで仕事はできるか? スマホサイズの「XREAL BEAM Pro 5G」と老眼にやさしい「XREAL One」で試す(3/3 ページ)

» 2025年10月02日 15時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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資料を並べながらのテキスト入力作業もOK

 作業場所に到着したら、XREAL Beam Pro 5GとBluetoothキーボードを接続してから、ARグラスのXREAL OneをXREAL Beam Pro 5Gにつなごう。作業が長引きそうなら、充電端子に電源をつないでおきたい。

Bluetoothキーボードを接続 まずはBluetoothをオンにして、Bluetoothキーボードを接続しておこう
XREAL BEAM Pro 5GにARグラスを接続 XREAL BEAM Pro 5Gの右側(グラスのアイコンのある方)にXREAL Oneを接続する。ARグラスをつなげると電力消費が激しくなり、内蔵バッテリーだけでは3時間ほどしか作業できないので、それより長引くようであればモバイルバッテリーなどをつなげて電源を確保しておこう

 XREAL Oneは、本体のテンプルにあるボタンを使って、メニュー画面の呼び出しや、フォローモード(追跡)/アンカー(固定)モードの設定を行える。アンカーモードを使えば、眼の前に物理ディスプレイがあるかのような作業体験を得ることができる。

テンプルのXボタン XREAL BEAM Pro 5G接続時にこのボタンをダブルクリックすると、マウス操作で選べるメニュー画面が表示される
メニュー ディスプレイ内に表示されるメニュー。モード切り替えで顔の動きについてくるフォローモードまたは空間に画面が固定されたかのようなアンカーモードを選べる

 アプリウィンドウは、2つまで表示可能だ。文章を入力するための作業アプリウィンドウ(筆者の場合はGoogle ドキュメント)と情報を参考にするためのアプリウィンドウ、例えばChromeやGoogle フォトアプリなどを開いて並べておけば、アプリを閉じたり開いたりするといった手間が省けるだろう。

 ウィンドウサイズはM−/M/Lの他に、β版ではあるが「広範囲表示」と呼ばれるワイドサイズも選択可能だ。アプリウィンドウの幅を広げたことで、他方のアプリウィンドウを覆ってしまうこともあるが、どちらかのウィンドウを移動させれば問題は解決する。

ウィンドウサイズ ウィンドウサイズを変更できる。この写真では、左側が「L」で右側が「M−」だ
ウィンドウ移動 右側のウィンドウを広範囲表示にしたところ、左側のウィンドウにかぶってしまった。そんなときはウィンドウ移動ハンドルをつかんで移動させよう

 PC版とスマートフォンアプリ版では、Google ドキュメントのメニューの位置が異なるが、執筆中は文字カウント以外のメニューを使うことがないので全く問題ない。

 IMEの違いによる影響だが、筆者はGoogle 日本語入力をPCでも使っているおかげで、Gboard IMEになったからといって変換しづらいと感じることはなかった。

 実は、5年以上昔のことだがiPad Proを購入し、「これで出先でも、自宅リビングでもかっこよく仕事ができる!」と喜んであちこちに持ち歩いていたが、変換のしづらさにへきえきして、「iPadやiPhoneで仕事をこなそう」という意欲がすっかりなくなってしまったことがある。

 多分、普段からmacOS標準の日本語入力で ことえりはもう存在しない仕事をしていれば、そう感じることもなかったのかもしれない。

 というわけで、この原稿もXREAL BEAM Pro 5GとXREAL One、そして外付けキーボードで執筆している。

 画像編集までこなそうと思うと、XREAL BEAM Pro 5Gのスペックでは難しいだろう。だが、テキスト入力であれば全く問題ない。しかも、資料のウィンドウを横に並べておける。

 XREAL BEAM Pro 5Gならモバイルネットワークを利用できるので、別途スマートフォンやモバイルルーターを持ち歩くことなく、スマートフォンサイズの端末とARグラス、そして折りたたみキーボードといった最小限の荷物で、いつどこでも仕事ができる。

最小限の荷物 作業効率を考えるとHHKB Studioのような使い慣れたキーボードの方が望ましいが、荷物を減らしたい、ちょっとだけ作業したいという場合なら、この構成で仕事をこなせる
軽い ちなみに、XREAL Oneのケース込みでも約770g未満だ

 別のメリットもある。それはARグラス内の表示は数m先ということになっているので、老眼であっても文字や画像をはっきり見られるというものだ。15型ノートPCで2つのウィンドウを広げると、表示できる情報量が少なくなってしまう。情報量を増やそうと文字を小さくすると今度は見えなくなってしまう。

 しかし、この組み合わせであれば、広々としたウィンドウを2つ並べて作業できる。ウィンドウサイズを大きくすれば、表示する文字を大きくすることもできる。荷物を軽くして老体への負担が、数m先に浮かぶように見える表示で老眼への負担が軽減されるのが、この作業環境だ。

 デメリットについても触れておきたい。ノートPCで作業するよりも、設置にも片付けにも時間がかかる。ノートPCなら、パタンと折りたたんでバッグに入れるだけで済むが、XREAL BEAM Pro 5GとXREAL One、そしてキーボードという3つのデバイスを組み合わせた場合では、グラスを外し、XREAL BEAM Pro 5Gからケーブルを抜き、グラスのケーブルをきれいに折り曲げてグラスとともにケースにしまい、全部まとめてからバッグに入れるという手間がかかる。

 さらに、ARグラス使用中に、周囲から奇異の目で見られる可能性があるということもデメリットに挙げられるだろう。もっとも、作業中はARグラスに用意されているエレクトロクロミック調光により、自分から周囲が見えないので気にならないのだが。

奇異の目で見られがち この姿を衆目にさらす抵抗感がなければ、最高の作業環境を手に入れられる

 これらデメリットさえ甘受できるのであれば、XREAL BEAM Pro 5GとXREAL One(または他のXREAL Air 2シリーズ)は、ちょっと作業をしたいときの最高の相棒になるに違いない。

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