ここまでテストしてきた通り、ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xは「ゲームを遊びやすくする」という観点で改良が施されている。これまでポータブルゲーミングPCに興味があった人が初めて手にするのにちょうどいい仕上がりとなっている。
その上で、ポータブルとして持ち運んだり、ゲーミングPCとして自宅で使ったりする際に便利な純正周辺機器も用意されている。
「ROG Xbox Ally (2-in-1) Premium Case」は、その名の通りROG Xbox Allyシリーズ向けの純正ケースだ。
表面ははっ水加工されたナイロン製で、ケースはハードシェルタイプとなる。内部は本体を傷つけないようフリース素材なので、外からの衝撃に対して内外両方から本体をしっかりと守ってくれる。
加えて、ACアダプターなど周辺機器を収納するポケットもあるのだが、これは着脱可能で、取り外してより軽くしたり、カバンの中で収まりのいい場所に別々に入れたりできる。
ケースには簡易スタンド機能もあるので、動画の視聴時にも便利に使える。
「ROG Bulwark Dock DG300」は、ROG Xbox AllyシリーズをデスクトップPCのように使う場合に役立つUSB Type-Cドッキングステーションで、ROG Ally/ROG Ally Xでも利用できる。
拡張ポートはUSB Standard-A×3とUSB Type-C×2(うち1基は本体との接続用)、有線LAN(1000BASE-T)端子、HDMI出力端子、3.5mmのオーディオ出力を備えている。HDMI出力端子は4K(3840×2160ピクセル)/144Hz出力に対応している。
ベンチマークでも触れた通り、ROG Xbox Allyシリーズは、ゲーム以外の用途も十分にこなせる性能がある。このドックを使うことでデスクトップPCのように利用してもいいだろう。
ポータブルゲーミングPCにおいて、ASUSは比較的“後発”のメーカーだ。初代のROG Allyや、そのスペックアップモデルであるROG Ally Xは、後発であることのメリットを生かした良い製品ではあった。しかし、“それまで”のポータブルゲーミングPCの印象を変えるまでのインパクトがあったかというと、そこまでの強さはなかった。
この分野は他社を含めて成長/競争が激しく、ROG Xbox Allyシリーズはもしかするとまだまだ“発展途上”かもしれないが、現時点における1つの完成形(あるいは答え)ではあると思う。Xboxとコラボレーションすることで、据え置きゲーム機と同じインタフェースで楽しめることも強みだ。
多くのゲーマーが操作に使うコントローラーを融合した本体も、「ポータブルゲーミングPCを触っている」というよりも「新型のゲーム機で遊んでいる」と思える操作感で良い。
もちろん、ROG Xbox Allyシリーズは“PC”なので、PCとして使いたいときはWindows 11の標準的なデスクトップを表示できる。Xboxアプリによって「ゲーム」と「PC」の境界線がはっきりしていることで、使い方にメリハリを付けやすいのも好印象だ。
問題はROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xのどちらを選ぶかだが、これは率直にいうと遊びたいゲーム、あるいはゲームのプレイスタイルによる。
ROG Xbox Allyは、どちらかというとクラウドゲーミングを前提にしたスペックとなっている。自宅にゲーミングPCやXbox本体がある、あるいはクラウドゲーミングサービスを契約しているという人なら、机やTVに向かわずとも好きなスタイルで遊べるROG Xbox Allyを選ぶといいだろう。
ROG Xbox Ally Xは、オンデバイスである程度のゲームを楽しみたいという人にお勧めだ。USB4端子を使えば、外部GPUによるパワーアップにも対応する。
ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xは、主要な家電量販店でも取り扱いがある。気になる人は、実機展示している店舗に行って体感してみるといいだろう。
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