プロナビ

シャープの2025年度上期の連結業績に貢献したDynabookの好調ぶり しかし下期以降は楽観できず(2/2 ページ)

» 2025年11月11日 12時15分 公開
[大河原克行,ITmedia]
前のページへ 1|2       

PCの値上げに踏み切るか?

 業績の改善という観点では、PC本体への価格転嫁を行うかどうかも気になる。この点について、沖津社長は以下のように説明する。

 (PC本体の値上げは)検討はしているが、具体的なことは決めていない。まずはコストダウンなどによって挽回ができるかどうか(見ていきたい)。また業界全体の動きも見ていかないといけない。2026年度は、価格転嫁も織り込んだ計画にしないといけないかもしれない。

 いずれにせよ、PC事業の舵取りは2026年度以降のシャープの経営戦略に大きな影響を及ぼすことは間違いない。

沖津社長 厳しい表情を崩さない沖津社長

親会社との連携で「AIサーバ」にも取り組む

 一方、シャープはAIサーバの販売事業に関心を寄せていることも明らかにした。これは親会社である鴻海精密工業とのパートナーシップによって実現するものである。

 シャープは、液晶パネルの主力工場の1つである「亀山第2工場」(三重県亀山市)を鴻海に売却することを発表している。本工場は、かつて「世界の亀山モデル」として人気を博した液晶TV向けの液晶パネルの主力生産工場だったことで知られている。

 工場の売却を巡っては、9月15日付でシャープと鴻海はMOU(基本合意書)を締結している。今後、両社は12月末までに最終契約を行い、2026年8月までに譲渡が完了する計画となっている。

 鴻海は、生産数量を落としつつも亀山第2工場で液晶パネルの生産を継続する方針だ。シャープが一部顧客へ納入していたパネルの生産/供給を引き続き行う一方で、鴻海自らも液晶パネルの販売を行うという。

中期経営計画 先述した中期経営計画の一環として、シャープは亀山第2工場を親会社である鴻海精密工業に売却する
亀山第2工場 鴻海に売却する予定の亀山第2工場

 一方で、鴻海は生産縮小によって不要となった液晶パネルの生産設備を撤去し、空いたスペースにAIサーバーの生産ラインを設置する予定ともしている。生産ラインの設置は工場の譲渡後となるため、同地でのAIサーバの生産が本格化するのは早くても2027年度となる見通しだ。

 この動きに合わせて、シャープではAIデータセンター事業者に対する販売事業の立ち上げを検討するという。沖津社長は「シャープは、AIサーバーに関してはプロフェッショナルではない。準備には2年程度を要するだろう。できれば2027年度ぐらいには販売事業を立ち上げたい」とする。

 AIサーバは、EV(電気自動車)およびロボティクスと並んで、シャープが取り組む「新産業」の1つとして位置付けられている。同社のAIサーバ事業は生産は行わず、販売に特化する形になりそうだが、その事業プランをどう描くのか、また販売体制をどう作り上げていくのかといった点にも注目が集まりそうだ。

新事業 AIサーバは「AIデータセンターソリューション」の一角を占めている
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月29日 更新
  1. Windows 11でサインイン後に「画面が真っ黒になる」事象が確認される 発生時は暫定解決策あり (2026年09月28日)
  2. 圧倒的な通気性と航空モチーフのデザインが光る「ANAオリジナル タフな背中がムレにくいビジネスリュック」を試す (2026年09月28日)
  3. AnthropicがAIモデル「Claude Opus 5.5」を発表/OpenAIもAIモデル「GPT-6 Sol」「GPT-6 Luna」を投入 (2026年09月27日)
  4. 斜め吸気や底面ARGBなどThermaltakeの新作ピラーレスケースが話題に! Lexar製SSDはモデル数が拡充 (2026年09月28日)
  5. GeForce RTX 5080は30万円超えの空気感――GPU高騰の裏で見つけた7割引の水冷パーツと8万円台の小型PC (2026年09月26日)
  6. 入手困難な「PS5 Pro」の販売がソニーストアで再開 発送は11月以降、購入申込み条件はPS5/PS4のプレイ実績60時間以上 (2026年09月28日)
  7. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  8. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  9. 「約12万円のPS5 ProよりゲーミングPCを買った方がいい」は本当なのか? 同等スペックで組んだら価格は…… (2024年09月19日)
  10. Ryzen AI Max+を搭載したハイスペック9型ミニノート「GPD WIN Max 3」 (2026年09月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー