こうしたプランごとの違いに加えて、もう1つ存在するのがハードによる機能の相違だ。従来モデルでは保存できる動画履歴が最大3時間分だったのが、本製品では最大6時間まで増えている。実際にこれだけの履歴を保存することがあるかは分からないが、制限が緩和されたのはプラスだろう。
一方でクリップ1本あたりの動画の長さは、従来は「最大5分」までだったのが、本製品では「最大10秒」と、大幅に短くなっている。理由は不明だが、2026年初頭に予定されているアップデートで、Geminiによるタグ付けをしやすくするためではないかと考えられる。とはいえあくまで筆者の推測なので、評価はアップデートまで待つべきだろう。
ただし今回の試用では、これがどこに反映されているのか確認できなかった。筆者はこの「10秒」というのは、スマホにダウンロード可能なクリップの最大秒数を指していると思っていたのだが、試した限りでは10秒を大幅に超える分単位でも問題なくダウンロードできてしまう。
またアクティビティーの履歴自体も、最大5分という従来モデルと同じ制限はあるようで(5分を超えると別の履歴に分割される)、10秒単位でブツ切りにされるようなことはない。後日ソフトウェアアップデートで上記の仕様に改められるという意味なのかもしれないが、もし筆者の勘違いなどで別の機能を指していることが判明した場合は、後日補足したい。
現時点では履歴は従来モデルと同じく「最大5分」という制限で、「最大10秒」ではないようだ(左)。ローカルへの保存でも長時間の履歴が分割されることはない(中央)。ちなみに、既存のバッテリー式モデルは設定画面に最長アクティビティー時間を10秒〜3分の範囲で指定する機能があるが、本製品にはそうした機能はない。これは「30秒」に指定した場合の保存時間(右)なお、この「10秒」という制限は本製品と同時発売の屋外向け電源アダプター式モデルも共通であることから、過去のモデルについても、いずれ仕様が共通化される可能性がある。Google Nestのネットワークカメラは自動アップデートゆえ回避することは困難だが、気を付けるに越したことはなさそうだ。
以上ざっと見てきたが、屋内向けネットワークカメラとしては正常進化を果たしている一方で、Gemini関連の機能が使えるようになるのは2026年初頭ということで、まだ製品としての評価を下すのは時期尚早だ。
前述のクリップ1本あたりの長さのように、従来モデルから見ると制限が加わったとみられる機能もあるが、それが実機で確認できないので判断は余計に難しい。
またGemini関連の機能は、既存モデルもアップデートで対応するのか否かが不明で、買い替えの是非についても判断しづらい。ネットワークカメラを新規に購入するにあたってはおすすめできる本製品だが、既存モデルからの買い替えについては、ひとまず2026年初頭のアップデートを待った方がよいというのが、現時点での筆者の意見だ。
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